インプラント治療を受ける際に起こりうるリスク

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インプラント治療では、顎の骨にインプラント体を埋め込むための手術を行います。
手術中だけではなく、手術前後にも一定のリスクをともなうため、事前に想定されるリスクを知っておきましょう。

今回は、インプラント治療を受ける際に起こりうるリスクを、手術前と手術中、そして手術後に分けて紹介します。
インプラント治療におけるリスクを把握したうえで、安心して治療を受けたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

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【手術前】インプラント治療を受ける前に想定される5つのリスク

インプラント治療を受ける前に、想定されるリスクに注意しなければならない患者様もいらっしゃいます。
ここからは、インプラント治療を受ける前に想定される、5つのリスクを紹介します。

金属アレルギーを引き起こす

インプラント治療には、金属アレルギーを引き起こすというリスクがあります。

一般的に、顎の骨に埋め込むインプラント体の素材には、チタンが使用されています。
チタンは人体との親和性が高いため、金属アレルギーの反応はほとんど起こりません。

しかし、患者様のなかには、チタンに対してアレルギーがある方もいらっしゃいます。
万が一、インプラント治療後に金属アレルギーの反応が出た場合は、手術を再度行って、インプラントを除去しなければなりません。

金属アレルギーがご不安な方は、事前に金属アレルギーのパッチテストを受けることをおすすめします。

糖尿病によって細菌に感染する

糖尿病の患者様の場合、インプラント治療が成功しない可能性があります。

糖尿病とは、インスリンというホルモンが不足することで、高血糖の状態が慢性的に続く病気のことです。
高血糖の状態では、傷が治りにくい傾向があるため、手術をともなうインプラント治療はあまりおすすめできません。

さらに、糖尿病の進行によって、免疫細胞の活動も低下することで、糖尿病ではない方と比べて、手術中に細菌に感染するリスクも高まるため注意が必要です。

ただし、糖尿病の患者様であっても、血糖値を安定させることで、インプラント治療を受けることが可能です。
インプラント治療のリスクを軽減するためにも、歯科医院の医師とかかりつけ医の双方に、しっかりと相談しましょう。

こちらの記事では、糖尿病とインプラントの関係など原因や症状を解説していますので合わせてご覧ください。
関連記事:糖尿病の方がインプラント治療を受けるリスクと注意したいポイント

心臓疾患が再発する

心臓に疾患がある患者様は、インプラント治療の手術時に、出血が止まらなくなるというリスクが存在します。

心筋梗塞や狭心症をはじめとする心臓疾患を発症した場合、一般的には、血液の流れをよくするために抗凝固薬を服用します。
その薬の作用によって、手術中に出血が止まらないというリスクを高めてしまう可能性があるため注意が必要です。
そのため、患者様によっては、インプラント治療の手術前後は、投薬を一時的にやめることもあります。

ただし、抗凝固薬の投薬を中断すると、心臓疾患が再発するリスクを高めてしまうため、慎重に判断しなければなりません。
心臓に疾患をお持ちの患者様は、歯科医院の医師とかかりつけ医に相談のうえ、インプラント治療を受けるかどうかを決めましょう。

高血圧が悪化する

高血圧の患者様がインプラント治療を受ける場合も、注意が必要です。
なぜなら、インプラント治療の手術の際に、緊張やストレスによって、普段よりも血圧が上がり、心臓疾患や脳梗塞を発症するリスクを高めてしまうためです。

くわえて、麻酔薬のなかには、血圧を上げる成分も含まれているため、気をつけなければなりません。

なお、デンタルオフィス大阪梅田では、ご希望に応じて「静脈内鎮静法」という方法をご案内しております。
静脈内鎮静法は、手術前に鎮静薬を静脈に点滴する方法で、意識はある状態で緊張の緩和ができる笑気麻酔よりも、さらに高い効果が期待できます。

眠っているような状態になるため、恐怖心やストレスを軽減しながら、インプラント治療の手術を受けることが可能です。
そのため、手術がご不安な方や、できるだけリラックスして手術を受けたいとお考えの方などに特におすすめの方法です。

喫煙が悪影響を与える

喫煙の習慣も、インプラント治療に悪影響を及ぼします。
なぜなら、タバコに含まれているニコチンが血管を収縮することで、血液の流れが悪くなり、血液中の酸素や栄養素が不足してしまうためです。

くわえて、タバコの煙に含まれている一酸化炭素が、血液中のヘモグロビンと結合することによっても、血液中に必要な酸素がさらに減少します。
血液中の酸素や栄養素が不足すると、手術後の骨の再生力も低下し、顎の骨とインプラント体が結合しないおそれがあるため注意しなければなりません。

また、喫煙によって血液の流れが悪くなることで、唾液の分泌量も減少すると、細菌の感染が引き起こされる可能性も高まります。
治療を行っても、歯ぐきの腫れによる痛みなどの症状が改善しない場合は、インプラントそのものを取り除かなければならないこともあるため、喫煙は控えましょう。

こちらの記事では、インプラント治療と喫煙の関係性、ならびに禁煙方法などを解説していますので合わせてご覧ください。
関連記事:インプラント治療と喫煙の関係性とは?禁煙方法も紹介

【手術中】インプラント治療を受ける際に起こりうる4つのリスク

ここからは、インプラント治療を受ける際に起こりうる、4つのリスクを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

神経や血管が損傷する

インプラント治療の手術には、顎の神経および血管を傷つけられてしまうというリスクがあります。

手術では、インプラント体を埋め込むために、ドリルで穴をあけます。
その際に、顎の神経を損傷してしまうと、唇や頬にしびれや麻痺といった症状が現れ、リハビリや薬物療法を行わなければなりません。

また、手術中に大きな血管を傷つけてしまった場合、大量の出血につながるため非常に危険です。

顎の神経や血管の損傷を防止するためには、歯科用CTの機械で撮影を行い、神経と血管の正確な位置を把握することが重要です。
そのため、インプラント治療を受ける際は、歯科用CTの機械がある歯科医院を選びましょう。

安全に治療を受けたいとお考えの方は、治療を検討している歯科医院のWebサイトを調べることや、直接問い合わせることをおすすめします。

上顎の上顎洞が損傷する

インプラント治療を上顎に受ける場合、手術の際に上顎洞(じょうがくどう)を削られてしまうというリスクもあります。

上顎洞とは、頭蓋骨のなかで、鼻のまわりに存在する空洞のことです。
上顎の骨にドリルで穴をあける際に、上顎洞を誤って削ると、上顎洞が炎症を起こしてしまいます。

上顎洞を傷つけないためには、顎の神経や血管の損傷を防止するときと同様に、歯科用CTの機械で撮影を行い、上顎洞の正確な位置を把握することが大切です。

なお、デンタルオフィス大阪梅田では、歯科用CTの機械を導入しております。
歯科用CTの機械では、通常のレントゲン写真と比べて、神経と血管、ならびに上顎洞の位置を正確に診断することが可能です。

骨の細胞が壊死する

インプラント治療の手術では、ドリルで穴をあける際に、顎の骨の細胞が壊死するというリスクも存在するため注意が必要です。

ドリルで顎の骨を削るときは、ドリルや骨が熱を帯びることを防ぐために、ドリルと骨が接触している部分に水を注ぎます。
しかし、注水の量が不足すると、発生した熱が骨に悪影響を及ぼしてしまい、顎の骨の細胞が壊死することがあります。

顎の骨の壊死を防ぐためには、顎の骨と接触しているドリルの先端に、徹底的に注水を行うことが重要です。

体調が急変する

インプラント治療の手術中に、体調が急変してしまうというリスクにも注意しなければなりません。

インプラント治療を受ける場合、手術に対する恐怖心が拭えない可能性や、極度に緊張してしまう可能性があります。
そのため、手術前は問題がなかった場合であっても、手術中に体調が突然悪くなってしまうかもしれません。

ご自身の身を守るために、呼吸や血圧の状態を確認する生体モニターの使用や、笑気麻酔や静脈内鎮静法をはじめとする、麻酔方法の工夫を行っている歯科医院を選びましょう。

【手術後】インプラント治療を受けたあとに発生しうる5つのリスク

手術が無事に成功した場合であっても、インプラント治療のリスクは存在します。
そこでここからは、インプラント治療を受けたあとに発生しうる、5つのリスクを紹介します。

細菌が感染する

インプラント治療の手術後は、歯ぐきが細菌に感染するというリスクに注意が必要です。

細菌の感染が引き起こされると、歯ぐきの腫れによる痛みや膿が発生します。
最終的に、歯周病のような症状が現れるインプラント周囲炎を発症すると、顎の骨が溶かされていき、インプラントが不安定な状態になります。

細菌の感染やインプラント周囲炎の発症を防ぐためには、毎日のケアにくわえて、インプラントの定期健診といったメンテナンスを行うことが大切です。
毎日のケアとしてブラッシングを十分に行ったうえで、インプラントの定期健診を6か月に1回程度は受診することが望ましいです。

なお、デンタルオフィス大阪梅田では、インプラント治療が完了したあとの1か月後と3か月後、そして6か月後の定期健診を無料で受診いただけます。

こちらの記事では、インプラント周囲炎について詳しく解説しています。インプラント周囲炎を発症する原因を紹介していますので、予防のためにも合わせてご覧ください。
関連記事:インプラント周囲炎とは?原因から治療方法まで詳しく解説

インプラントの位置がずれている

インプラント治療の手術後において、インプラントが適切な位置に埋め込まれないというリスクも存在します。

適切な位置にインプラントが埋め込まれていない場合、最終的な仕上がりの審美性が悪くなるだけではなく、痛みを感じるおそれがあります。
このようなリスクを回避するためには、歯科用CTの機械で撮影を行い、インプラントを埋め込む位置を事前に決めることが大切です。

見た目に不具合が生じる

インプラント治療の手術自体は成功したものの、手術後に見た目の不具合が生じるというリスクもあります。

歯周病や事故などの理由によって歯が抜けると、抜けた歯を支えていた骨の量が少なくなり、同時に歯ぐきの位置も下がっていきます。
このような状態でインプラント治療を受けると、少しずつ歯ぐきの位置が下がるため、人工歯が長く見えてしまう可能性があるというわけです。

また、歯ぐきの厚みが足りない場合、人工の歯根であるインプラント体が透けてしまい、黒っぽく見えることもあり得ます。
特に、前歯のインプラントは、口元の見た目に影響を与えるため、見た目に不具合がある場合は、速やかに治療を受けた歯科医院に相談しましょう。

顎の骨とインプラント体が分離する

インプラント治療の手術後におけるリスクとして、顎の骨と埋め込んだインプラント体がうまく結合しないことも挙げられます。

歯ぐきが細菌に感染し、顎の骨が溶けてしまうと、顎の骨とインプラント体が結合しません。
くわえて、骨粗しょう症などにより、患者様の顎の骨の厚みが不足していると、顎の骨とインプラント体が結合しない可能性もあります。

このようなリスクを避けるためには、歯科用CTの機械で撮影を行い、顎の骨の厚みを確認したうえで、インプラント体を埋め込めるかどうかを判断してもらうことが重要です。

インプラントが破損する

インプラントが破損しているときは、多くのリスクをともなうため、治療を受けた歯科医院をできるだけ早く受診しましょう。

人工歯が破損すると、嚙み合わせや見た目が悪くなるため、治療を受けた意味があまりなくなってしまいます。
また、インプラント体が細すぎる場合や負荷がかかりすぎている場合は、インプラント体が折れてしまう可能性もあります。

インプラントの破損は、製造上の問題や嚙み合わせの問題といった原因があるため、放置せずに歯科医院に相談することが大切です。

インプラント治療を受ける歯科医院を選ぶ際のポイント

インプラント治療のリスクをできるだけ回避するためには、信頼できる歯科医院を選びましょう。
安心してインプラント治療を受けるために、歯科医院を選ぶ際に押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

インプラント治療を受ける歯科医院を選ぶ際のポイント

  • 事前カウンセリングを丁寧に実施している
  • インプラント治療の豊富な実績がある
  • 料金設定を明示している
  • 歯科用CTの機械を設置している
  • 徹底した感染対策を行っている
  • アフターフォローが充実している

安心して治療を受けたいとお考えの方は、治療を検討している歯科医院のWebサイトを調べることや、カウンセリングで直接相談することをおすすめします。

なお、デンタルオフィス大阪梅田では、歯科用CTの機械の設置や感染対策をはじめとする、安全に対する取り組みを行っております。
料金設定やアフターフォローなどの詳細は、デンタルオフィス大阪梅田のWebサイトをぜひご覧ください。

こちらの記事では、インプラント治療の専門医や歯科医院を選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説していますので合わせてご覧ください。
関連記事:【インプラント治療】専門医と歯科医院の選び方を徹底解説

インプラント治療では神経の損傷や細菌の感染をはじめとするリスクが起こりうる

いかがでしたでしょうか?

インプラント治療を受ける前の段階において、糖尿病や高血圧などの方は、傷が治りにくい傾向や細菌に感染するリスクが高い傾向があるため、特に注意しなければなりません。
さらに、手術中のリスクとして、顎の骨の神経および血管が損傷することや、体調が急変することなどが挙げられます。

また、手術後であっても、細菌の感染や見た目の不具合が生じる可能性があるため、定期検診やアフターフォローが充実している歯科医院を選びましょう。

デンタルオフィス大阪梅田では、インプラント治療を行っております。
高品質かつ技術が高いインプラント治療を受けたいとお考えの方は、ぜひ当院にお問い合わせください。
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コラム監修者

監修者の写真

中島 航輝
なかじま こうき

役職

理事長(梅田院の院長)

資格

略歴

  • 1997年 明海大学 歯学部入学
  • 2003年 同大学 卒業
  • 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
  • 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
  • 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
  • 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
  • 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
  • 2008年 医療法人社団世航会 設立
  • 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
  • 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
  • 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
  • 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
  • 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系  入学

著者本など

「まずはこの1冊から! はじめてのホワイトニング」
「dentist インタビュー記事」
「東京ドクターズ インタビュー記事」

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