インプラント周囲炎とは?原因から治療方法まで詳しく解説

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失った歯を取り戻すために、インプラント治療を受けることをお考えの方もいらっしゃるでしょう。
インプラントは口内とキレイに見せ、長期的に使えるものの、治療後には「インプラント周囲炎」といわれる炎症が起こることがあります。

本記事では、インプラント周囲炎がどのような症状であるのかという説明とあわせて、発症する原因や治療方法を解説します。
これからインプラント治療を行うことをお考えの方は、最後までご覧ください。

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インプラント周囲炎とは

「インプラント周囲炎」とは、インプラントを埋め込んだ周辺に炎症が起こる疾患のことです。
いいかえれば、インプラントの歯周病のことであり、発症すると歯ぐきが腫れたり、出血したりすることがあります。

初期段階では自覚症状がほとんどないものの、症状の進行が早いため、気がついたときには重症化しているというケースも少なくありません。
また、症状が重症化すると、口内に強い痛みを感じたり、出血が起こったりするだけではなく、最悪の場合、インプラントが脱落することも考えられます。

なお、インプラント周囲炎の進行は、以下の段階に分けられます。

段階①インプラント周囲粘膜炎

インプラント周辺の粘膜に炎症が起こり、歯ぐきが腫れている状態のことを「インプラント周囲粘膜炎」といいます。
この段階では、まだ炎症が骨までは届いていないため、口内に強い痛みを感じることや、インプラントが脱落することは基本的にありません。

ただし、歯を磨いた際や、強い力で食べ物を噛んだ際に、歯ぐきから出血を起こすことがあります。
口内に痛みや違和感がないにもかかわらず、歯ぐきからの出血が続くという場合は、インプラント周囲粘膜炎である可能性が高いため、早急に歯科医院を受診しましょう。

段階②インプラント周囲炎

上記で紹介した「インプラント周囲粘膜炎」の症状が進行し、炎症が悪化している状態が「インプラント周囲炎」です。
歯肉や歯槽骨の破壊が進んでいる状態であり、症状が悪化するとインプラントがぐらつくことや、口内に強い痛みを感じることがあります。

インプラント周囲炎は、自然に治癒することはないため、歯科医院で治療を受けなければなりません。

インプラント周囲炎の症状

インプラント周囲炎の主な症状は以下のとおりです。

インプラント周囲炎の主な症状

  • 歯ぐきの痛み
  • 歯ぐきの腫れ
  • 歯ぐきからの出血
  • 歯ぐきからの排膿
  • 歯ぐきが下がる(歯肉退縮)
  • 歯と歯ぐきのあいだの溝(歯周ポケット)が深くなる

インプラント治療後に、口内に上記の症状が現れた場合は、インプラント周囲炎の症状が進行している可能性があります。
症状を悪化させないためにも、口内に違和感がある場合は、ただちに歯科医院を受診しましょう。

インプラント周囲炎の発症リスクを高める原因

インプラント周囲炎は、口内が不衛生な状態となり、インプラント周辺に歯周病菌が増殖することで発症します。

発症リスクを高める主な原因には、以下のようなものが挙げられます。

インプラント周囲炎の発症リスクを高める主な原因

  • セルフケアが不足している
  • 歯周病や糖尿病などの既往歴がある
  • 過度に喫煙している
  • いつも口呼吸をしている
  • 嚙み合わせが悪い

インプラント周囲炎の発症リスクを減らすためにも、自身が上記で紹介した内容に該当していないかどうかを確認したうえで、適切な対処を行いましょう。

関連記事:インプラントのメンテナンスが必要な理由とやり方

インプラント周囲炎の治療方法

インプラント周囲炎を治療する基本的な方法は、歯のクリーニングです。
ブラッシングや歯周ポケットの洗浄などを入念に行い、口内を清潔な状態にすることによって、インプラント周囲炎の進行は抑えられます。

ただし、インプラント周囲炎の症状が重症である場合は、上記の方法にくわえ、専用の歯科治療機器で歯垢や歯石を除去したり、特殊な薬剤を用いて消毒洗浄を行ったりもします。
それでも、インプラント周囲炎の症状が改善されない場合は、インプラント体ごと除去しなければならない可能性もあるため、重症化する前に治療を受けることが重要です。

インプラント周囲炎を予防するために押さえておきたいポイント

インプラント周囲炎の症状が重症化すると、治療にかかる費用が高くなるだけではなく、健康にも大きな被害が現れる可能性があります。
このような事態を避けるためにも、インプラント周囲炎を予防するポイントを押さえておきたいですよね。

発症を防ぐポイントには以下のようなものがあるため、ぜひ参考にしてみてください。

ポイント①毎日のセルフケアを入念に行う

インプラント周囲炎の発症を防ぐためには、毎日のセルフケアを入念に行い、常に口内を清潔な状態に保つことが重要です。

ブラッシングはもちろんですが、マウスウォッシュやデンタルフロスなどのオーラルケア用品を併用して、歯垢や歯石を可能な限り除去しましょう。
もし、「セルフケアの方法に自信がない」「ブラッシングをしたにもかかわらず汚れが落ちない」という場合は、歯科医院でブラッシング指導を受けることも視野に入れてみてください。

こちらの記事では、インプラント治療後に使う歯みがき粉について、ケア方法とあわせて詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
関連記事:インプラント治療後の歯磨き・ケア方法と歯みがき粉選びの注意点

ポイント②歯科医院でメンテナンスを受ける

セルフケアだけではなく、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けることも、インプラント周囲炎の発症を防ぐことにつながります。

歯科医院で受けるメンテナンスでは、口内に異常がないかどうかを確認したうえで、セルフケアでは落としきれない歯垢や歯石を除去してもらえます。
また、メンテナンスの際に、歯や歯ぐきに異常が確認された場合は、そのまま治療を受けられるため、口内の健康維持にも役立つでしょう。

インプラントを安全に使うためにも、最低でも3~4か月に1回は、歯科医院でメンテナンスを受けることをおすすめします。

こちらの記事では、インプラント治療後にメンテナンスが必要性にメンテナンスの流れなどを解説していますので合わせてご覧ください。
関連記事:インプラントのメンテナンスが必要な理由とやり方

ポイント③過度の喫煙を控える

インプラント周囲炎の発症ならびに悪化するリスクを減らすためには、過度の喫煙は控えましょう。

実は、タバコに含まれているニコチンやタールなどの成分は、血管を収縮させ、歯ぐきの免疫力を低下させる作用があります。
歯ぐきの免疫力が低下することは、インプラント周囲炎が発症するリスクを高めるだけではなく、場合によってはインプラントの脱落につながる危険性も考えられます。

そのため、インプラントの治療前ならびに治療後の喫煙は控え、口内の健康を維持しましょう。

関連記事:インプラント治療で痛みを感じるタイミングや和らげる方法

インプラント周囲炎とはインプラントを埋め込んだ周辺に炎症が起こる疾患のこと

いかがでしたでしょうか。

インプラントの治療後に起こる可能性がある「インプラント周囲炎」は、自覚症状がないことも多く、気がついたときには症状が重症化しているというケースも少なくありません。
また、症状が進行すると、口内に強い痛みを感じたり、出血が起こったりするだけではなく、インプラントが脱落する危険性も考えられます。

インプラント周囲炎の発症ならびに重症化を防ぐためにも、セルフケアを徹底したうえで、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けることを心がけましょう。

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コラム監修者

監修者の写真

中島 航輝
なかじま こうき

役職

理事長(梅田院の院長)

資格

略歴

  • 1997年 明海大学 歯学部入学
  • 2003年 同大学 卒業
  • 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
  • 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
  • 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
  • 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
  • 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
  • 2008年 医療法人社団世航会 設立
  • 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
  • 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
  • 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
  • 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
  • 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系  入学

著者本など

「まずはこの1冊から! はじめてのホワイトニング」
「dentist インタビュー記事」
「東京ドクターズ インタビュー記事」

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