虫歯じゃないのに歯が痛いのはなぜ?原因を徹底解説

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「虫歯じゃないのになぜ歯が痛いのだろう」と、悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
歯の痛みは、虫歯だけではなく、虫歯以外の歯や身体の部位に原因があることも考えられます。

そこで本記事では、虫歯以外で考えられる歯の痛みの原因を解説します。
原因不明の歯の痛みに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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虫歯じゃないのに歯が痛い原因

虫歯ではないのに歯が痛い原因

虫歯以外が理由で歯が痛いのは、虫歯ではない歯に原因があるケースと、歯以外が原因のケースの2パターンあります。
ここでは、考えられる原因をすべて紹介します。

原因①歯の神経が炎症を起こしている

歯の中に通っている神経を「歯髄」といい、歯髄で炎症が起こっている現象を「歯髄炎」といいます。
歯髄炎の原因は、虫歯による細菌感染がほとんどですが、ほかにも考えられる4つの原因が下記のとおりです。

虫歯以外の歯髄炎の原因

  • 歯への強い衝撃による外傷
  • 歯の破折
  • 歯周病の進行
  • 虫歯治療による刺激

歯に強い衝撃が加わったり歯周病が進行したりすると、歯髄炎が起こる場合があります。
また、歯の中にある複数の管は歯髄とつながっており、虫歯になった歯の治療を何度も行うと、管を通じて歯髄がダメージを受けて歯髄炎を引き起こすケースがあります。

軽度の歯髄炎であれば、普段は症状がなく、冷たい水やアイスクリームがしみる程度の症状です。
しかし、痛みを放置して症状が進行すると、激しい痛みをともない、最悪の場合は歯髄が壊死状態になります。

歯髄炎は自然治癒が困難で、放置すると、どんどん症状が進行します。
症状が進むと、根管内の神経や血管を取り除く根管治療が必要になるので、早めに歯科を受診して、治療を行いましょう。

原因②歯根膜で炎症が起きている

「歯根膜」とは、歯根の周りを覆っている組織を指し、食べ物を噛む際に歯にかかる力を吸収して緩和するクッションの役割を担っています。
歯根膜で炎症が起こる現象を「歯根膜炎」とよび、歯の痛みを引き起こす原因の1つです。

歯根膜炎は、ほとんどのケースでは虫歯が原因ですが、歯への強い衝撃や、歯根の治療中に歯根膜に刺激を与えたことが原因となるケースもあります。
また、歯周病から歯根膜炎を引き起こす場合では、症状が進行している可能性が高いので、早めの歯科受診が必要です。

原因③歯周病を発症している

歯周病の初期段階では、痛みを感じることはほとんどありません。
しかし、進行した歯周病は、歯と歯のあいだに溜まった汚れに細菌が繁殖し、炎症を起こして痛みをともなう場合があります。

歯周病には2つの種類があり、歯ぐきの炎症を「歯肉炎」、骨まで溶けてしまう炎症を「歯周炎」といいます。
初期段階では歯肉炎が起こり、放置すると歯周炎へと進行するため、注意が必要です。

初期段階の歯肉炎は、フロスやブラシを活用した正しいブラッシングにより細菌の量が減って、炎症が治まっていくケースがあります。
歯周病が進行すると、最終段階では歯を支える骨が溶けて歯が抜けてしまうので、歯ぐきの赤みや痛みなどの症状がみられたら、早めに対処しましょう。

原因④歯の根っこに膿が溜まっている

神経を取り除いた歯の根っこの部分が感染し、膿が溜まって炎症が起こる状態を「根尖病巣」といいます。
歯の痛みや歯ぐきの腫れが生じますが、無症状である場合も多く、自覚症状がなく症状が進行するケースもあります。

歯ぐきの腫れは、自然に潰れて膿が出ると一時的に治まりますが、放置すると再度膿が溜まって歯ぐきが腫れることもあるので、治療が必要です。

原因⑤知覚過敏を発症している

冷たいものが歯にしみる症状は、一過性の痛みであれば「知覚過敏」が考えられます。
冷たい飲食物がしみる以外にも、甘い飲食物を食べたときや歯に風が当たったときなども、一過性の痛みが生じます。

知覚過敏は、歯周病の進行や加齢、不適切なブラッシングなどで歯ぐきが下がり、歯の根元の象牙質が露出することが原因です。
象牙質には歯髄につながる無数の穴があいていて、穴を通った刺激が神経に痛みを感じさせるのです。

知覚過敏の治療は、薬を塗布して露出した象牙質を覆う方法や、コーティング材を使用してカバーする方法があります。
また、歯ぎしりが原因で知覚過敏を引き起こしたのであれば、マウスピースを装着して歯ぎしりを防ぎます。

原因⑥歯の噛み合わせが悪い

歯の噛み合わせの悪さを放置すると、歯に大きな負担が加わり、食べ物を噛んだときに痛みが出るケースがあります。
また、全身のバランスにも悪影響を及ぼし、さまざまな身体の部位に不調やトラブルを引き起こします。

噛み合わせは、歯科矯正や歯の部位を削って調整する方法で改善が可能です。
歯並びによって治療法は異なるので、歯科医院と相談して自分に合った治療法をみつけましょう。

原因⑦親知らずが斜めに生えている

親知らずがまっすぐと生えて、痛みや腫れがない場合は問題ありませんが、斜めに生えて痛みや腫れの症状が出たら、早急な対処が必要です。
親知らずが斜めに生えていると、隣の歯や歯並びにも悪い影響を与える可能性があります。

親知らずが斜めに生える理由は、スペースの狭いところに、ほかの歯より遅れて生えてくるので、周囲の歯から圧迫を受けるためです。
斜めに生えた親知らずと隣の歯のあいだには、汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病の原因になりえます。

抜歯したほうがよいケースもあるので、痛みや腫れが出たら、虫歯や歯周病になる前に歯科医院と相談しましょう。

原因⑧顔の筋肉に痛みがある

歯ぎしりや強い力で歯を噛み合わせると、顎の筋肉に負担がかかり、歯の痛みと勘違いするような痛みが出ます。
また、頬の筋肉に痛みが生じた場合は、下の奥歯の痛みと勘違いされやすく、レントゲンで確認すると歯に異常がないケースがあります。

顔の筋肉の痛みは、マッサージや湿布で緩和されるので、試してみてください。

原因⑨神経が障害を起こしている

顔面の神経痛やウイルス感染などで神経にトラブルが起きると、歯の痛みにつながります。
この神経が障害を起こしている状態を「神経障害性歯痛」と言います。
顔の感覚を脳に伝える「三叉神経」と、舌の味覚や知覚に関係している「舌咽神経」の障害が、歯の痛みを起こす原因です。

三叉神経痛や舌咽神経痛は、食事や歯磨きなどで痛みの発生源を刺激すると、瞬間的に電気が走るような強い痛みを感じます。
薬物療法や外科手術といった、口腔外科や脳神経外科による治療が必要です。

原因⑩頭痛が続いている

血管が拡張して起きる「偏頭痛」や「群発頭痛」が原因となり、歯に痛みを感じるケースがあります。
歯に炎症が起こる歯髄炎の痛みと似ていて、ずきずきとした痛みが特徴です。

偏頭痛は、上の奥歯や下の犬歯に痛みを感じることがあり、群発頭痛では上の奥歯に痛みが出ます。
歯科ではなく、頭痛外来や脳神経外科など専門的な病院を受診しましょう。

原因⑪心臓に病気を患っている

奥歯と心臓の神経は分布が同じであるため、狭心症や心筋梗塞などの心臓の病気で、奥歯に痛みを感じる場合があります。
心臓病による痛みは、胸や背中に痛みが広がり、最悪の場合は死に至ります。

また、胸の圧迫感とともに強い歯痛が生じることもあり、早急に循環器内科の受診が必要です。

原因⑫強いストレスを感じている

歯の痛みはストレスと関係し、不安や気分の落ち込みなどの心理的な要因や、精神的な病気が原因で、歯の痛みが出る場合があります。

鎮痛薬が効かない痛みや、ストレスを感じたときに痛みが出るのであれば、原因はストレスである可能性が高く、心療内科や精神科の受診が必要です。
ストレスが原因である場合は、歯科を受診しても歯に異常は見つかりません。

虫歯じゃないのに歯が痛いのは、歯以外に原因がある場合もある

いかがでしたでしょうか。

歯の痛みの原因としては、歯根膜や歯の神経の炎症など、虫歯以外の原因で歯がトラブルを起こしている可能性もあります。
歯髄炎や歯周病を放置して症状が進行すると、歯を失うリスクがあるので、早急な対処が必要です。

また、頭痛や心臓の病気で歯に痛みが生じている場合は、歯科では異常が見つからず、専門的な病院の受診が必要です。
ストレスが歯の痛みの原因であるケースもあるので、歯だけでなく、ほかの原因も疑いましょう。

デンタルオフィス大阪梅田では、患者様一人一人に合った歯科医療を提供しています。
歯の痛みでお困りの方や、歯の痛みの原因がわからず不安に感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

コラム監修者

監修者の写真

中島 航輝
なかじま こうき

役職

理事長(梅田院の院長)

資格

略歴

  • 1997年 明海大学 歯学部入学
  • 2003年 同大学 卒業
  • 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
  • 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
  • 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
  • 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
  • 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
  • 2008年 医療法人社団世航会 設立
  • 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
  • 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
  • 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
  • 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
  • 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系  入学

著者本など

「まずはこの1冊から! はじめてのホワイトニング」
「dentist インタビュー記事」
「東京ドクターズ インタビュー記事」
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