親知らずを抜くタイミングはいつがベストなのか?

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「親知らずは抜いたほうがよい」と聞いたことはありませんか?

親知らずは汚れが溜まりやすく、放置していると虫歯や炎症を引き起こします。
抜歯を考えているものの、適切なタイミングがわからず、後回しにしている方も多いでしょう。

本記事では、親知らずを抜く最適なタイミングと、抜いたほうがよいケースについて解説します。
「親知らずが気になるものの、ついついそのままにしていた……」という方は、ぜひご覧ください。

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親知らずとは?

親知らずとは、正式名称を第三大臼歯といって、口の奥に遅れて生えてくる歯です。
多くが10代後半から20代前半の時期に生えてきます。

口の中で親知らずがまっすぐ生えてくる方は、全体の3割程度です。
多くの場合、横向きや斜めに生えてきて、歯茎に埋まったままということも珍しくありません。

そのため、親知らずは汚れが溜まりやすく、不衛生な状態に陥りやすいというリスクを抱えています。
うまく磨けないまま放置すると、細菌が繁殖して、周囲の歯茎が炎症を起こしてしまいます。

親知らずを抜く最適なタイミング

親知らずが横向きや斜めに生えてきたら、20代前半までに抜歯を検討しましょう。
歯は年齢の経過とともに硬くなり、抜歯にかかる時間やリスクが増加します。

また、親知らずが生えてくる20歳前後の時期は、まだ顎の関節が柔らかく、治療の際に長時間口を開けつづけることが容易です。
年齢が若いほど免疫力が高く、抜歯のダメージからも比較的早く回復できます。

なお、生えてきたばかりで成長しきる前の親知らずも抜歯できます。
生えて間もない親知らずは、歯茎の下にある歯根の形成が完了しておらず、抜歯による危険が少ない状態です。
歯根が形成されると、大きな神経が通っている歯槽骨(しそうこつ)や下顎管(かがくかん)に接触して、損傷させる可能性が高まります。

親知らずの抜歯は若いうちに行ったほうがリスクを抑えられるため、可能な限り20代前半までに対処しましょう。

親知らずを抜いたほうがよいケース

繰り返しますが、親知らずが横向きや斜めに生えている場合は、早めの抜歯を推奨します。
まっすぐに生えていれば、抜歯する必要はありません。

また、以下に紹介する症状が起こった際も、親知らずの抜歯を検討しましょう。

ケース①親知らず周囲の歯茎が腫れている

親知らずが生えている歯茎の腫れを、根本的に解決するには、抜歯しかありません。

横向きや斜めに生えていると、歯と歯のあいだにすき間が生じて、汚れが溜まるようになるからです。
不衛生な環境が続くと、風邪をひいたり疲れたりして免疫力が低下したときに、細菌が繁殖して、智歯周囲炎が発生しやすくなります。

重症化すると、物を飲み込むのが困難になったり、何もしなくても痛みを感じたりと、日常生活に支障をきたすようになるので、早めの対処がおすすめです。

ケース②親知らずが虫歯になっている

親知らずが虫歯になって治療する際には、口を大きく開ける必要があり、これができない方は治療に時間がかかります。

治療後も親知らずのケアが難しいことは変わらず、再び虫歯になる可能性が低くないため、治療せずに抜歯したほうがよいといえます。

ケース③親知らずの手前の歯が虫歯になっている

親知らず自体だけではなく、その手前の歯が虫歯になったときも、親知らずを抜歯したほうがよいでしょう。

親知らずの手前の歯を第二大臼歯といい、親知らずがまっすぐ生えていないと、隣接面が塞がって、汚れが溜まりやすくなります。
第二大臼歯が虫歯になったら、治療の妨げとなる親知らずを抜歯することもあります。
これにより、難しい隣接面のケアが容易になるからです。

親知らずが第二大臼歯に悪い影響を与えたまま放置すると、最悪の場合2本とも治療不可能な状態になるおそれがあります。

ケース④親知らずが歯並びに影響を与えている

悪くなった歯並びを矯正する際には、親知らずの抜歯が必要です。

親知らずが残っていると、矯正後にもとの歯並びに戻ろうとする作用が働きます。
横向きや斜めに生えていると、手前の歯に後ろから押すような力がくわわって、歯並びに悪影響を及ぼしてしまいます。

そのため、矯正の前に歯並びが乱れる原因である、親知らずを抜歯しなければなりません。

親知らずの抜歯難易度が高いケース

親知らずの生え方や状態によっては、抜歯の難易度が高くなります。
次のケースに当てはまったら、さらに症状が悪化する前に、早急に治療を受けましょう。

親知らずの抜歯難易度が高いケース

  • 完全に横向きに倒れている
  • 歯茎の中に埋まっている
  • 虫歯や炎症が重症化している
  • 下顎の血管・神経に近い

反対に、このような特徴に当てはまらなければ、比較的簡単に抜歯できる可能性があります。
親知らずの抜歯には痛みや腫れをともなうイメージが強く、治療をためらってしまう方も多いですが、必ずしもそうとは限りません。

親知らずが生えてきたらすぐに抜歯するのがベスト

今回は、親知らずの抜歯にベストなタイミングを解説しました。

親知らずが横向きや斜めに生えてきたときは、できる限り早い抜歯がおすすめです。
歯根の形成が完了する前であれば、抜歯によるリスクが少なく、痛みも大きくありません。
年齢が上がるごとに抜くのが難しくなるため、親知らずの存在が気になる方は、早めに歯科医院で治療を受けましょう。

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コラム監修者

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中島 航輝
なかじま こうき

役職

理事長(梅田院の院長)

資格

略歴

  • 1997年 明海大学 歯学部入学
  • 2003年 同大学 卒業
  • 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
  • 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
  • 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
  • 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
  • 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
  • 2008年 医療法人社団世航会 設立
  • 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
  • 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
  • 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
  • 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
  • 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系  入学

著者本など

「まずはこの1冊から! はじめてのホワイトニング」
「dentist インタビュー記事」
「東京ドクターズ インタビュー記事」
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