公開日 2023.06.26 更新日 2025.10.20

歯石除去の値段と押さえておきたい通院回数・受診頻度

「歯石除去を受けたいけど値段が気になる」などと考えていませんか。目安がわからないため、不安を感じている方は多いでしょう。
歯石除去の値段は、保険を適用できる場合と保険を適用できない場合で異なります。
保険を適用できる場合は大きな負担にならないことが多いでしょう。

ここでは、歯石除去の値段を解説するとともに通院回数や通院頻度の目安なども紹介しています。
以下の情報を参考にすれば、歯石除去を不安なく受けられるようになるはずです。

梅田で歯医者・歯科をお探しならデンタルオフィス大阪梅田までご相談ください

歯石除去とは

歯石除去は、歯の表面などに付着した歯石を特殊な器具で取り除く施術です。歯石は、プラークが石灰化したものを指します。

プラークは歯垢と呼ぶこともあります。
簡単に説明すると、歯の表面に付着した細菌の塊です。
歯磨きで取り除けなかったプラークは、唾液中のカルシウムやリン酸などが付着して2週間程度で石のようになります。
これが、除去の対象になる歯石です。

歯石は、歯茎よりも上に付着している歯肉縁上歯石と歯茎の中に埋もれている(歯と歯茎の間の溝)歯肉縁下歯石にわかれます。

歯石を取り除く理由

歯石を取り除く主な理由は、虫歯や歯周病のリスクを下げるためです。
毎日口腔ケアをしていても取り切れないプラーク(歯垢)が溜まると、石のように硬くなります
歯石そのものが虫歯や歯周病を直接引き起こすわけではありませんが、表面がザラついているため細菌が付着しやすい環境になります。
歯石を放置していると、セルフケアで取り除くことはかなり難しいため、細菌が繁殖し虫歯や歯周病が発生しやすくなるのです。 

以下の記事では、歯周病について解説していますので合わせてご覧ください。 

関連記事:歯周病治療の流れとセルフケアのポイントを紹介

歯石除去の方法

ただし、歯磨きで歯石を取り除くことはできません。そこで利用されているのが歯石除去です。

歯石除去では、スケーラーと呼ばれる歯科用器具で歯石を取り除きます。
スケーラーには、ハンドスケーラー・超音波スケーラー・音波スケーラーなどの種類があります。
例えば、ハンドスケーラーは、先端が尖っていてフックのような形状をしています。
この器具で歯石をつついて落としていきます。

歯石除去は自分でもできる?

歯石除去は、必要な器具を揃えれば自分で行うことも可能です。
ただし、自分で歯石除去することには多くのリスクがあるため、基本的には専門的な技術を持つ歯科医院を受診するのがおすすめです。
先端の尖ったスケーラーを使用して歯石を除去しますが、当てる角度や力の入れ方を間違えると歯や歯茎を傷つける恐れがあります
傷ついた歯茎から細菌が侵入し炎症を起こす、膿が溜まる、感染症を引き起こすなどのリスクも考えられます。
適切な口腔ケアを行いたい場合は、歯科医院で歯石除去を受けるのがおすすめです。

歯石除去とクリーニングは何が違うのか

歯石除去とクリーニングの大きな違いは、治療を目的とするか、予防や審美性を目的とするかという点です。
歯石除去は、歯の表面や歯茎の内側にたまった歯石を取り除きます。
歯石を除去することで、虫歯や歯周病を引き起こす細菌が繁殖しにくくなり、治療しやすい口内環境を整えられるでしょう。
重度の歯石の場合、超音波スケーラーを用いて専門的な治療が必要になるケースもあります。

一方、クリーニングは治療目的よりも、着色汚れを落とし自然な歯の白さを取り戻すことに主眼が置かれます。
ブラシや研磨ペーストを使用した施術で、汚れが付着しにくい環境を作ることが可能です。

歯石除去にかかる値段

歯石除去にかかる値段は、保険適用の場合と自由診療の場合で異なります。
どれくらいの金額がかかるのでしょうか。

保険適用の場合

歯周病治療の一環として行う場合は基本的に保険を適用できます。
初診の自己負担額は、3割負担であれば検査代などを含めて3,000~4,000円程度です。
2回目以降の自己負担額は1,500~2,500円程度といえるでしょう。
具体的な金額は、歯石除去の対象になっている歯などで異なります。

自己負担額の総額は、治療回数が多くなるほど高くなる傾向があります。
心配な場合は、施術を受ける前に治療計画や自己負担額について確認しておくとよいかもしれません。

自由診療の場合

歯周病治療の一環として行わない場合は保険を適用できません。
かかった費用は全額自己負担になります。この点に注意は必要ですが、制約がなくなるため必要に応じて保険診療では受けられない施術を受けられます。

歯石除去にかかる費用は、施術内容などで大きく異なります。
1回あたりの自己負担額は、5,000~20,000円程度が目安といえるでしょう。

 

関連記事:歯のクリーニングにかかる料金はいくら?メリットも紹介

歯石除去を受けると得られるメリット

歯石除去には、さまざまなメリットを期待できます。
代表的なメリットは次の通りです。

メリット①歯周病・虫歯を予防できる

前述の通り、歯石があると細菌が付着して繁殖しやすくなります。
この状態を放置すると、歯周病や虫歯のリスクは高まります。
歯周病除去は、これらの予防に有効といえるでしょう。

歯周病(炎症で生じる毒性の物質)が、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞などの病気に関与している点も見逃せません。
歯石を除去すると、これらのリスクも引き下げられる可能性があります。

メリット②着色汚れの除去が可能

歯石の表面は、健康な歯に比べて凸凹しています。
細菌だけでなく他の汚れも付着しやすくなります。
磨き残しが多いなどの理由で歯全体に歯石が付着すると、汚れで茶色く変色しているように見えることがあります。

歯石を除去すれば、このような汚れを落とせます。
また、凹凸がなくなるため、汚れも付着しにくくなります。

メリット③口臭改善を期待できる

歯石は口臭悪化の原因にもなります。
細菌が増殖すると、口臭のもとになるガスが発生するためです。
また、歯周病が進行して臭いが強くなる恐れもあります。
例えば、歯茎の炎症で膿がたまると強烈な臭いを発します。
これらのリスクを遠ざけられる点も魅力です。

歯石除去に必要な通院の回数

歯石除去で必要になる通院回数はケースで異なります。
歯肉縁上歯石(歯石が見えている場合)は、1回で終わることもあります。
歯肉縁下歯石(歯と歯茎の間の溝の中にある場合)は、1~6回程度の通院が必要です。

歯石が多い場合や着色が目立つ場合は、上顎と下顎にわけて施術するなど複数回の通院が必要になります。
期間を空けて状態をチェックするケースが多いため、1回で終わるケースは少ないといえるでしょう。

歯石除去を受ける頻度

歯石除去は「1度、受ければ終わり」というものではありません。
歯を丁寧に磨いているつもりでも、プラークを完全に取り除くことはできないからです。
施術から数カ月経過すると、ほとんどの方の歯に歯石が沈着します。
したがって、定期的な歯石除去が勧められます。
望ましい頻度には個人差がありますが、一般的には3~6カ月に1回程度が目安といわれています。
まずはこのペースで施術を受けて、自分に合っている頻度を見つけてみてはいかがでしょうか。

歯石除去を受ける際の流れ

歯石除去を受ける場合、歯科医院で受診することが必要です。
最初の診察ですぐに歯石除去が行われるわけではなく、どの程度歯石が溜まっているのか、どのような治療が必要かを判断するため、検査が行われます。
歯石除去を受ける際の流れをご紹介します。

ステップ①検査

歯石除去を受ける前に検査を受ける必要があります。
歯石がどの程度溜まっているかに加え、虫歯や歯周病の有無、セルフケアがしっかり行われているか判断しなければなりません。
加えて、使用できる器具を選ぶうえでも検査が重要です。
口腔内の状況や患者さんの要望によっては、水が出る超音波スケーラーやエアスケーラーなどの器具を使用できないケースもあります。

ステップ②歯石除去

検査が終わった後、歯石除去を行います。
スケーラーを使用して、こびりついた歯石を取り除くのが主な方法です。
歯周ポケットの内部に歯石がある場合、さらに高度な技術が必要となります。
通常は1〜2回の歯石除去で終了しますが、症状が重い場合には3〜8回程度かかるケースもあります。

ステップ③再検査

歯石除去完了後、取り残した歯石がないかをチェックするため再検査を行います。
歯石除去は歯茎にもスケーラーが当たることがあるため、歯茎からの出血が見られることも少なくありません。
出血している箇所の確認や歯茎の状態のチェックを行い、次回の受診で確認すべきポイントを整理します。
再検査で歯石がしっかり除去されていることが確認できれば、次回の受診時にどの程度セルフケアが行えているのかチェックする助けになるでしょう。

ステップ④歯の汚れの除去

歯石除去とあわせて、歯の汚れを落とすことも重要です。
歯石はスケーラーを使って除去しますが、歯の表面や歯と歯の間の汚れはブラシやフロスを使って取り除かなければなりません。
とくに歯の間に汚れが溜まっていると、歯茎が炎症を起こしやすくなり、歯周病の原因となります。
歯石を取り除いても、歯石の元となるプラークが残っていれば口内の健康を保つのは難しいでしょう。
歯科医院では歯の汚れを除去した後、患者さん一人ひとりに適したケア用品を提案してくれます。

ステップ⑤研磨

歯石除去によって歯の表面が傷ついたりザラザラしたりするため、研磨を行います。
歯の表面に残った細かな汚れ・着色を取り除くとともに、細菌を付着しにくくするのに効果的です。
研磨の際にフッ素入りの研磨ペーストが使用されることもあり、虫歯予防に効果的な歯の再石灰化が促進されます。

ステップ⑥洗浄

歯石除去の最後の段階として、口内を洗浄します。
口内に残った歯石やプラークの残骸、研磨ペーストの残りを水で洗い流して完了です。

歯石除去を受けたあとのケア

歯石除去を受けたあとは、口腔内が傷ついていることがあるため、可能な限り刺激を与えるのは避けましょう。
歯を磨く際には、柔らかめの歯ブラシを使い、優しくブラッシングするのが望ましいです。
とくに歯茎から出血が見られる場合には、あまり力を入れてブラッシングするのはやめた方がいいでしょう。
加えて、歯石除去を受けた当日は歯がしみやすいため、熱い飲み物や冷たい食事を避けるのが賢明です。

歯石を予防するためにできること

歯石除去を受けることも大切ですが、歯石を付着させないためのケアはさらに重要です。
歯石を予防するためにできる3つの方法をご紹介します。

毎日のブラッシングを丁寧に行う

歯石が溜まらないようにするため、毎日のブラッシングは欠かせません。
歯ブラシでブラッシングするだけではなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯と歯の間に溜まった汚れもしっかり取り除きましょう
歯の表面をツルツルに保てる歯磨き粉を使用することも1つの手です。

食生活を見直す

食生活を見直すことも、歯石の付着を抑えるのに役立ちます。
たとえば、乳酸菌には虫歯や歯周病の原因となる細菌を抑える働きがあるため、発酵食品を多く摂るのが効果的です。
チョコレートやグミなど、汚れが歯に付着しやすい食べ物を避けるのもいい方法です。

定期的に歯医者に行く

セルフケアではプラークや歯石を完全に取り除くことは難しいため、定期的に歯科医院で検診を受けることが重要です。
歯石除去やクリーニングで口腔内を清潔に保ち、セルフケアのアドバイスも受けられるでしょう。

歯の健康を守るため歯石除去を受けましょう

この記事では、歯石除去の値段、通院回数、歯石除去後のケア方法などをご紹介しました。
歯石除去をせずにいると、細菌が繁殖しやすくなり虫歯・歯周病のリスクが上がります。
歯石はセルフケアで取り除くことにリスクがあるため、専門的な技術を持つ歯科医院を受診することが重要です。
口腔内の健康を守るため、歯石除去を定期的に受けましょう。 
「デンタルオフィス大阪梅田」では、「症状が現れる前に予防する」という考え方のもとで歯石除去などの施術を行っています。歯石が気になる方は、お気軽にご相談ください。 

大阪梅田のインプラント治療なら「デンタルオフィス大阪梅田」

コラム監修者

監修者の写真

中島 航輝
なかじま こうき

役職

理事長(梅田院の院長)

略歴

  • 1997年 明海大学 歯学部入学
  • 2003年 同大学 卒業
  • 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
  • 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
  • 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
  • 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
  • 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
  • 2008年 医療法人社団世航会 設立
  • 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
  • 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
  • 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
  • 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
  • 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系  入学

クリニック一覧

東京

世田谷エリア

港区エリア

西新宿区エリア

目黒区エリア

中央区エリア

千代田区エリア

江東区エリア

豊島区エリア

大阪

大阪エリア

目次へ
ネット予約