インビザラインで失敗することはある?後悔しないために気をつけること
「インビザラインの失敗例や原因を知りたい」
「インビザラインで後悔しないためのポイントとは?」
「インビザラインの失敗を未然に防ぐためにできることは?」
見た目も性能も上がった最先端の矯正器具、インビザライン。
本記事では、そんなインビザラインの失敗にまつわる冒頭の疑問について解説していきます。
虫歯や歯の痛み、歯ぐきの腫れに悩んでいる方、治療を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
インビザラインで失敗する可能性はあるのか?
インビザライン治療は、一見どんな歯科医師でも可能に見えますが、実際には専門的な技術が必要で、失敗する可能性はゼロではありません。
たとえば、インビザラインの失敗例には、理想の歯並びにならない、虫歯や歯周病の悪化、噛み合わせの問題などがあります。
これらの失敗は、適切な装着時間の不守や、治療計画の不備によることが多くなっています。
信頼できる歯科医師の選択、マウスピースの正しい管理、治療計画の確認が重要です。
専門家の指導のもと、適切な治療を受けることで、これらのリスクを最小限に抑えることが可能です。
インビザラインの失敗例
ここからは、インビザラインの具体的な失敗例を見ていきましょう。
ここでは、以下の6つの事例を紹介します。
失敗例
- 理想の歯並びにならなかった
- 虫歯や歯周病になった
- 噛み合わせが悪くなった
- 歯を削られ過ぎて治療期間が長引いた
- 歯根が露出してしまった
- 歯の後戻りが起きてしてしまった
それぞれ解説していきます。
例①理想の歯並びにならなかった
インビザライン治療において、理想の歯並びにならないケースがあります。
失敗例として「満足いく歯並びにならなかった」が挙げられます。
これは、治療計画の不備やマウスピースの不適切な使用が原因で起こり得る問題です。
治療前の正確な診断、適切な装着時間の遵守、定期的な歯科医師との相談が重要です。
インビザラインは効果的な矯正方法ですが、患者の協力と歯科医師の指導が成功の鍵となります。
例②虫歯や歯周病になった
インビザライン治療中に虫歯や歯周病になるリスクは、適切なケアを怠ると高まります。
インビザラインは長時間装着する必要があり、これが口内の汚れを溜めやすくするからです。
通常、唾液は自浄作用を持ちますが、マウスピース装着時はその効果が低下し、虫歯や歯周病の原因となることがあります。
正しい歯磨きと食後のマウスピースの再装着は、これらのリスクを減らす重要なポイントです。
インビザライン治療を成功させるためには、口内衛生の徹底が不可欠です。
こちらの記事では、歯周病の症状・原因について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事:歯周病の症状・原因と今日から取り組める4つの予防法
例③噛み合わせが悪くなった
インビザラインの治療において、噛み合わせが悪化することは稀ですが、注意が必要です。
噛み合わせが悪いと顎関節症になるリスクが高まります。
これは、顎の関節に過度な負荷がかかるためです。
ただし、噛み合わせの悪さが顎関節症の直接の原因ではないものの、悪化しやすくなるため、治療中は歯科医師の指示に従い、違和感があればすぐに相談することが重要です。
例④歯を削られ過ぎて治療期間が長引いた
インビザライン治療において、歯を削る処置は一般的ですが、過度な削りは治療期間の延長や知覚過敏を引き起こすリスクがあります。
インビザラインでは歯と歯の間にスペースを作るために「ディスキング」と呼ばれる処置を行うことがあり、これは歯の側面部分を数ミリ削るものです。
しかし、削りすぎると知覚過敏などの問題が生じる可能性があります。
したがって、インビザライン治療を検討する際は、歯を削る必要性や範囲について、信頼できる歯科医師と十分に相談することが重要です。
例⑤歯根が露出してしまった
インビザライン矯正では、歯根の露出が起こることがあります。
これは、歯を削る範囲が大きくなると、知覚過敏になるリスクが伴うためです。
たとえば、インビザライン矯正中に知覚過敏が生じることがありますが、これは歯の移動によるものです。
また、歯肉退縮により歯根が露出することもあります。
これは、歯周組織が下がってしまい、歯根が露出してしまう状態を指します。
このような状況を避けるためには、矯正治療を行う際には経験豊富な歯科医師を選ぶことが重要です。
例⑥歯の後戻りが起きてしてしまった
インビザラインでの歯の後戻りは、治療後のケアが不十分な場合に起こり得る現象です。
インビザライン矯正は基本的に1日20時間以上の装着が必要で、この装着時間の不足が後戻りの一因となります。
また、矯正治療後のリテーナー装着を怠ることも後戻りの原因になり得ます。
インビザライン治療を成功させるためには、治療後も継続的なケアが重要です。
インビザラインが失敗する原因
インビザラインの失敗の原因は、主に患者側の自己管理不足にあります。
たとえば、マウスピースの装着時間が不十分だったり、定期的な歯科医師とのコミュニケーションが欠けている場合です。
失敗例には歯列の改善が見られない、治療期間が延びるなどがあります。
また、不十分なコンプライアンス、予期せぬ歯の問題、誤った使用が一般的な原因として挙げられています。
これらを避けるためには、指示の厳守、定期検診、適切なメンテナンスが重要です。
インビザラインの成功は、患者の責任感と歯科医師の専門知識に大きく依存します。
インビザラインで後悔しないためのポイント
次に、インビザラインで後悔しないためのポイントを解説していきます。
主なポイントは以下の6つです。
後悔しないためのポイント
- 実績のある歯科医師を選ぶ
- マウスピースの装着時間を守る
- 歯やマウスピースを常に衛生的に保つ
- 歯を削る必要があるのかしっかりと確認する
- 保定装置を忘れずに装着する
- 違和感があったら歯科医師に相談する
それぞれ確認してください。
ポイント①実績のある歯科医師を選ぶ
インビザライン治療の成功には、実績のある歯科医師の選択が不可欠です。
インビザラインの症例数が多い歯科医院を選ぶことが重要です。
経験豊富な歯科医師は、さまざまな症例に対応した知識と技術を持ち、患者のニーズに合わせた治療計画を提供できます。
また、相性の良い信頼できる医師を選ぶことで、治療中の不安や疑問を解消しやすくなるでしょう。
インビザライン治療を検討している方は、医師選びに時間をかけ、信頼できる医院を選ぶことが後悔しないための第一歩となります。
ポイント②マウスピースの装着時間を守る
インビザライン矯正で重要なのは、マウスピースの装着時間を守ることです。
インビザラインは1日22時間以上の装着が必要で、これを守らないと噛み合わせの悪化や歯の後戻りなどのリスクがあります。
装着時間が足りない場合、治療期間が延長されることも。
効果的な治療のためには、食事や歯磨きの時間を計画的にし、スマートフォンのリマインダー機能を活用するなど、自己管理を徹底することが大切です。
インビザラインの成功は、日々の装着時間の積み重ねにかかっています。
ポイント③歯やマウスピースを常に衛生的に保つ
インビザライン治療の成功には、歯やマウスピースの衛生管理が不可欠です。
適切なケアを怠ると、治療スケジュールに狂いが生じる可能性があります。
具体的には、流水での擦り洗いや専用の洗浄剤の使用が重要です。
また、食事や歯磨き後の清潔な口腔環境を保つことで、虫歯や歯周病のリスクを減らせます。
正しいケア方法を実践し、健康な歯並びを目指しましょう。
ポイント④歯を削る必要があるのかしっかりと確認する
インビザライン治療において、歯を削る必要性は慎重に検討すべきポイントです。
インビザライン矯正では、時に歯の表面を薄く削ることでスペースを確保する処置が行われることがあります。
この処置は、歯を抜かずに必要なスペースを確保し、歯の形やサイズ、全体のバランスを整えるために行われます。
しかし、健康な歯を削ることにはリスクも伴います。
削る量には限界があり、圧迫感や出血の可能性も考慮する必要があります。
そのため、治療を受ける前に、歯科医師としっかりと相談し、歯を削る必要性やそのメリット・デメリットを理解することが重要です。
ポイント⑤保定装置を忘れずに装着する
インビザライン治療後の美しい歯並びを維持するためには、保定装置の使用が不可欠です。
インビザライン・ジャパン公式サイトによると、ビベラ・リテーナーというマウスピース型の保定装置が推奨されています。
この保定装置を使用しないと、治療で得られた理想の歯並びがずれ始めるリスクがあるからです。
日々の装着を忘れずに行うことで、長期的に美しい笑顔を保てます。
インビザライン治療の成功を長く楽しむためにも、保定装置の重要性を忘れずにいましょう。
ポイント⑥違和感があったら歯科医師に相談する
インビザライン治療中の違和感は、放置すると歯並びの悪化や他のトラブルを引き起こす可能性があります。
違和感が2週間以上続く場合は、放置せずに歯科医師に相談することが重要です。
適切な対応を行うことで、治療の成功率を高め、快適な矯正体験を実現できます。
インビザライン治療を検討している方や、現在治療中の方は、違和感があったらすぐに専門家に相談しましょう。
インビザラインの失敗を未然に防ぐためにできること
インビザラインの失敗を未然に防ぐためには、まず正しい知識を持つことが重要です。
信頼できる歯科医院の情報を参考にして、治療のメリットとデメリットを理解しましょう。
具体的には、実績のある歯科医師を選び、マウスピースの装着時間を守り、常に歯とマウスピースを清潔に保つことが大切です。
また、治療中に違和感があったら、すぐに歯科医師に相談することも重要です。
これらのポイントを押さえることで、インビザライン治療の成功率を高められるでしょう。
インビザラインで失敗して後悔しないための重要ポイント
この記事では、インビザラインにおける失敗例やその原因を詳しく解説し、失敗を避けるための具体的なポイントを提供しています。
とくに重要なのは、実績のある歯科医師の選択、マウスピースの適切な装着時間の遵守、そして常に歯とマウスピースを清潔に保つことです。
これらのポイントを守ることで、インビザライン治療を成功に導けるでしょう。
あなたの美しい笑顔のために、この記事が一助となれば幸いです。
コラム監修者
資格
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学