審美歯科にかかる費用を種類別に詳しく解説
審美歯科治療は、ただ美しさを追求するだけでなく、患者一人ひとりの口元のコンプレックスを解消に導き、自信を取り戻すための重要な役割を果たします。
高品質な材料と専門技術による治療は、見た目の美しさと実用性の両方を兼ね備えています。
治療の費用相場から医療費控除の可能性まで、全ての疑問にお答えします。
目次
審美歯科とは
審美歯科は歯や口元の美しさを追求する治療法です。
虫歯や歯周病治療といった問題の解決はもちろん、歯並びの調整や歯の白さを改善することで、見た目の美しさにも配慮します。
一般的な歯科治療が機能回復に主眼を置く中、審美歯科は見た目の審美性にも重点を置くため、多くの人から注目されています。
患者さん一人ひとりの悩みに応じた個別のケアを行い、自然で美しい口元を目指す審美歯科治療は、歯の黄ばみを取り除いたり、歯の形を整えたりなど、見た目に関する幅広いニーズに応えます。
このような治療を通じて患者さんは見た目のコンプレックスを克服し、自信を取り戻すことができるのです。
審美歯科の費用相場【種類別】
審美歯科治療は歯や口元の美しさを向上させるためのもので、治療にかかる費用は治療の種類や範囲によって大きく異なります。
以下では、ホワイトニング、ラミネートベニア、セラミッククラウンなど、さまざまな審美歯科治療の種類別に、それぞれの費用相場について解説します。
以下は、審美歯科の費用相場を種類別でまとめた表になります。
治療の種類 | 費用相場 |
オールセラミック | 詰め物:6~8万円 / 被せ物:1本8~22万円 |
ジルコニアセラミック | 詰め物:4~7万円 / 被せ物:1本10~20万円 |
ハイブリッドセラミック | 保険適用になれば安価 |
メタルボンド | 8~15万円 |
ラミネートべニア | 1本9万5千円から15万円 |
インプラント治療 | 30~40万円 |
歯列矯正(ワイヤー) | 約60~150万円 |
歯列矯正(マウスピース) | 約80~110万円 |
ホワイトニング(自宅) | 約2万5千円 |
ホワイトニング(医院) | 約4万円 |
クリーニング | 3千~2万円 |
それぞれ解説していきます。
セラミック治療
この治療方法にはいくつかの種類があり、それぞれ特色があります。
オールセラミックは自然な見た目を重視する方に、ジルコニアは強度を求める方に、そしてメタルボンドは両方のメリットを求める方に適しています。
セラミック治療は専門の技術と知識を駆使して、患者さん一人ひとりの望む笑顔を叶えることができるため、多くの方に選ばれています。
オールセラミック
オールセラミックは、金属やプラスチックを使用しない完全なセラミック素材で作られています。
高い透明度により、天然の歯とほぼ同じ見た目を再現できるため、美しい口元を求める人に好まれています。
一般的な費用は詰め物が6万円〜8万円、被せ物は1本あたり8万円〜22万円です。
この治療方法は自然な見た目や金属アレルギーの心配がない点や長持ちする点、表面の汚れがつきにくいことがメリットとして挙げられます。
しかし素材が柔らかいため、欠けやすいというデメリットもあります。
また、保険が適用されないため、費用が高めになることも覚えておきましょう。
ジルコニアセラミック
ジルコニアセラミックは、詰め物や被せ物に使用される高強度セラミックです。
人工ダイヤモンドに匹敵する硬さがあり、詰め物は4〜7万円、被せ物は1本あたり10〜20万円の費用がかかります。
この素材は長期間使用しても劣化しにくく、金属アレルギーの懸念が無いことに加えて、汚れが付きにくい表面が特徴です。
ただし、オールセラミックよりも色や透明度で劣るほか、過度に硬いため対向歯にダメージを与える可能性があります。
オールセラミックと同じように保険は適用外のため費用は高くなります。
ハイブリッドセラミック
ハイブリッドセラミックはセラミックと歯科用プラスチックの組み合わせで作られた材料です。
この材料は、強度と見た目の自然さで優れており、金属アレルギーの心配がありません。また、状況によっては治療費を抑えることが可能です。
しかし、他のセラミック治療に比べると長持ちはしないため、経年劣化する可能性があります。
メタルボンド
メタルボンドは金属冠にセラミックを結合させたもので、長く品質を維持できることが魅力です。
費用は一般的に8〜15万円となっています。
この治療方法はオールセラミックに比べると色や透明度で劣るものの、金属の強度により割れにくく広い範囲に適用できます。
一方で金属アレルギーの可能性や、金属が原因で歯茎が変色するリスクも考慮する必要があります。
ラミネートべニア
ラミネートべニアはとくに、自然な見た目にこだわる患者さんに合った治療方法です。
この治療方法は歯の表面のわずかな不正を修正し、歯の色を明るくすることが可能です。
とくに歯の変色や軽度の歯並びの問題に悩む方にとって、短い期間で改善結果を得られる方法です。
治療手順は比較的簡単で、患者さんの歯を削り、カスタマイズされたセラミックの層を貼り付けることにより、理想の笑顔を実現します。
しかし、治療には専門的な技術が必要であり、経験豊富な歯科医師による正確な評価と施術が求められます。
インプラント治療
インプラント治療は、失った歯を取り戻すための最も効果的な方法の一つです。
チタン製の人工歯根を使用することで顎骨との強固な結合を実現し、長期にわたる安定性をもたらします。
さらに、インプラントにより装着される人工の歯は見た目が自然で、周囲の歯と調和します。
この治療法はとくにブリッジや入れ歯の使用が難しい場合や、より自然な見た目を求める患者さんにおすすめします。
費用相場は30万円〜40万円で、自分の歯と同様に噛むことができ、健康な歯を削る必要がなく、高い審美性を実現できる点がメリットです。
適切な手術とアフターケアにより、多くの患者さんが日常生活において自信を取り戻しています。
歯列矯正
歯列矯正は美しい歯並びを実現し、審美歯科治療の基礎を形成します。
不整な歯並びは、審美的な治療だけでは解決できないため、歯列矯正が必要です。
主にワイヤー矯正とマウスピース矯正の二つの方法があり、それぞれ約60万円から〜150万円、80万円〜110万円の費用がかかります。
矯正後の歯の位置を維持するためのメンテナンスも重要で、追加費用が発生することを覚えておく必要があります。
ホワイトニング
定期的な歯科クリーニングとホワイトニング治療は、歯の健康と美しさを維持するためには欠かせません。
クリーニングで取り除けない深い着色や黄ばみも、ホワイトニングによって効果的に改善されます。
自宅でのホワイトニングキットや歯科医院でのホワイトニングサービスは、安全で確実な方法を提案し患者さんのニーズに応じた内容が用意されています。
審美歯科治療の一環として自宅で行うホワイトニングは約25,000円、歯科医院でのホワイトニングは約40,000円が相場です。
これらを上手に選び使い分けることが、健康で美しい歯を維持する鍵です。
クリーニング
歯科クリーニングは、専門の道具を使って普段の歯磨きでは落とせない頑固な汚れを取り除くことができます。
この治療で歯石やプラークを除去し、虫歯や歯周病、口臭を防ぎます。
費用は大体3,000円〜20,000円で、歯が自然に汚れにくくなる効果がありますが、歯を白くしたい場合は、別途ホワイトニング治療が必要です。
定期的なクリーニングを受けることで、口の中を健康に保つことが可能になります。
関連記事:歯のクリーニングにかかる料金はいくら?メリットも紹介
審美歯科は保険適用になるのか?
審美歯科治療は、見た目の向上や口腔機能の改善を目指すもので、健康保険の適用外となります。
治療には新しい材料や技術が用いられるため、費用は一般的な歯科治療よりも高額になりがちです。
経済的には苦しくなりますが、患者さんは治療費を全額自己負担する必要があります。
保険は主に疾患治療や怪我の回復に限定されており、審美的な治療は含まれません。
審美歯科は医療費控除の対象になるのか?
審美歯科治療でかかった費用は、医療費控除の対象となります。
審美歯科治療は高品質な材料と専門技術を要するため、治療費が高額になる傾向があります。
これは治療が保険適用外であり、各歯科医院が独自に費用を設定できるためです。
しかし、医療費控除を利用することで一部の費用を還付してもらうことが可能になります。
詳しい条件を確認し、保険が適用可能なのかどうかを歯科医師に相談しましょう。
項目 | 詳細 |
医療費控除の条件 | 1年間の医療費が10万円を超える、または総所得の5%を超える場合 |
対象 | 本人及び生計を一にする家族の医療費 |
提出書類 | 医療費控除の明細書(領収書は提出不要、自宅で5年間保管) |
歯科医院の価格設定 | 高品質な材料使用と専門技術が必要なため、各院で異なる |
医療費控除の申請 | 治療が対象か確認し、適用を受けることで費用を抑えられる可能性あり |
審美歯科の費用を理解し慎重に治療を検討しよう
審美歯科治療は見た目の美しさを追求するもので、保険適用外のため全額自己負担となります。しかし、治療費は医療費控除の対象になる可能性があるため、実質的な負担を軽減できます。
高品質な材料と専門技術が必要な審美歯科では、各歯科医院が独自に費用を設定しています。
そのため治療前には費用や医療費控除の適用可能性について、詳細を確認することが大切です。
審美歯科治療に関するご相談や詳しい情報が必要な方は、デンタルオフィス大阪梅田にぜひご相談ください。
専門のスタッフが一人ひとりに合った治療プランをご提案いたします。
コラム監修者
資格
略歴
- 1997年 明海大学 歯学部入学
- 2003年 同大学 卒業
- 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
- 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
- 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
- 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
- 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
- 2008年 医療法人社団世航会 設立
- 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
- 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
- 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
- 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
- 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学