公開日 2026.06.02 更新日 2026.06.02

歯科矯正は保険適用になる?子供と大人の対象症例や気になる費用を解説!

歯科矯正を検討する際、「保険が使えるのか、費用はいくらかかるのか」は気になるポイントです。
歯科矯正は、見た目の改善や一般的な歯並びの調整を目的とする場合、原則として自由診療になります。

一方で、先天性異常や顎変形症など、機能回復を目的とする一部の症例では保険適用となるケースもあります。
対象になる医療機関や装置にも条件があるため、事前の確認が欠かせません。

本記事では、歯科矯正が保険適用外になりやすい理由、対象疾患、費用相場、負担を抑える方法を分かりやすく解説します。
矯正治療を始める前に知っておきたい情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

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歯科矯正が原則として保険適用外となる理由

歯科矯正は、見た目の改善や一般的な歯並びの調整を目的とする場合、原則として保険適用外です。
公的医療保険は病気やけがの治療を主な対象とするため、審美目的や軽度の噛み合わせ改善は自由診療になりやすい傾向があります。

以下では、歯科矯正で保険が使えない主な理由を整理します。

見た目を整える審美目的の治療であるため

歯科矯正の多くは、歯並びを整えて口元の印象をよくする審美目的の治療と判断されます。
公的医療保険は、病気やけがによって生じた機能の回復を主な対象とする制度です。
そのため、笑顔に自信を持ちたい、前歯の見た目を整えたいといった希望だけでは、病気の治療とはみなされにくくなります。

見た目の改善を目的とした矯正は、基本的に自由診療として全額自己負担になる点を押さえておきましょう。
治療前には目的が審美か機能回復かも確認が必要です。

一般的な噛み合わせ改善も自費診療の対象

噛み合わせを整える目的であっても、症状が軽度で日常生活への支障が限定的な場合は、原則として保険適用外です。
保険が使える矯正は、国が定める疾患や外科手術を伴う重度の症例などに限られます。

少し前歯がずれている、奥歯で噛みにくい気がする程度では、一般的な機能改善や見た目の調整と判断されやすいでしょう。
その場合、治療費は自費診療となり、装置や期間によって負担額も大きく変わります。

保険適用で歯科矯正ができる3つの対象疾患

保険適用の対象は、厚生労働大臣が定める疾患に起因した咬合異常、前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)、顎離断等の手術を必要とする顎変形症の手術前後の矯正歯科治療とされています。
いずれも見た目の改善ではなく、咀嚼や発音などの機能回復が目的となる症例です。

以下で、それぞれの特徴を解説します。

厚生労働大臣が定める先天性異常

厚生労働大臣が定める先天性異常とは、生まれつき歯や顎、口の構造に異常があり、矯正治療が機能回復に必要と判断される状態を指します。
代表例として、唇顎口蓋裂やダウン症候群などが挙げられます。
これらは見た目だけでなく、食事、発音、呼吸に影響することがあるため、保険適用の対象です。

一方、一般的な歯並びの乱れや軽い噛み合わせの悩みは含まれません。
対象可否は、指定医療機関での診断によって判断され、必要書類の確認も求められます。

外科手術を必要とする顎変形症

顎変形症で顎の骨に大きなずれやゆがみがあり、外科手術と矯正治療を組み合わせる必要がある場合は、保険適用となることがあります。
上下の顎の位置が大きく合わず食事がしにくい、発音に支障がある、顔の左右差を伴うなど、機能面への影響が判断材料です。
見た目を整えたいだけの矯正とは扱いが異なります。

保険を活用して治療を受けるには、国が認めた指定医療機関で診断と治療を受ける必要があります。
治療計画も手術前提で進む点を理解しておきましょう。

前歯3歯以上の永久歯萌出不全に伴う咬合異常

前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る)は、保険適用の対象となることがあります。
永久歯が歯ぐきの中に残ったままになったり、大きくずれて生えたりすると、食事や発音に影響するものです。

この症例は見た目の問題ではなく、機能障害を伴う状態として扱われます。
保険診療を受けられる医療機関や装置には制限があるため、早い段階で専門的な診断を受けることが必要です。

【大人・子供別】保険適用になる症例の違い

保険適用の基本条件は大人・子供で大きく分かれるのではなく、対象疾患や顎変形症の有無、施設基準への適合などによって判断されます。
どちらの場合も、一般的な歯並びの改善だけでは対象外です。

ここでは、子供と大人それぞれで保険適用となる主な症例の考え方を整理します。

子供の歯科矯正で保険が適用されるケース

子供の歯科矯正で保険が適用されるのは、先天性異常や発育に関わる重度の噛み合わせ異常が認められる場合です。
口唇口蓋裂やダウン症候群など厚生労働大臣が定める疾患、外科手術を必要とする顎変形症、前歯3歯以上の永久歯萌出不全に伴う咬合異常などが対象になります。

もし、学校検診で歯並びを指摘されても、すぐに保険適用になるとは限りません。
指定医療機関で診断を受け、条件に該当するか確認する流れになります。

大人の歯科矯正で保険適用となる基準

大人の歯科矯正で保険が適用されるのは、先天性異常や外科手術を伴う顎変形症など、重度の症例に限られます。
成長が完了しているため、軽度の歯並び改善や見た目の調整は自由診療として扱われるのが一般的です。
上下の顎のずれが大きく、噛む、話すといった機能に支障がある場合などは、保険適用の可能性があります。

最終的な判断には、指定医療機関での検査と診断が必要です。
自費診療との違いも事前に整理しておくと、費用面の見通しを立てやすくなります。

歯科矯正にかかる費用相場と自己負担額

歯科矯正の費用は、保険適用の有無によって大きく変わります。
保険が使える症例では自己負担額を抑えられますが、一般的な矯正は自由診療となり、全額自己負担となるケースがほとんどです。

ここでは、保険適用時と自由診療時の費用目安を分けて整理します。

保険が適用された場合の治療費の目安

保険が適用される歯科矯正では、年齢や所得に応じて自己負担は原則1〜3割となり、70歳未満の成人では一般的に3割負担になります。
たとえば3割負担の場合、顎変形症で外科手術を伴う矯正治療では、高額療養費制度の利用状況も含めて、自己負担額が25〜60万円程度になるケースがあります。

ただし、症状の程度や入院日数、通院回数によって金額は変動するため、あわせて高額療養費制度を利用できるか事前に確認しておくと安心でしょう。

自由診療(保険適用外)の場合の費用相場

自由診療の歯科矯正は、治療費が全額自己負担となるため、総額が高くなりやすい傾向があります。
表側ワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正など、装置の種類や治療期間、歯科医院の料金体系によって費用は変動します。
一般的には数十万円から百万円を超えるケースもあり、初期費用だけで判断しないことが大切です。

分割払いやデンタルローンの有無、調整料や保定装置代が含まれるかも確認しておきましょう。

保険適用の歯科矯正を受ける際の注意点

保険適用で歯科矯正を受ける場合は、対象疾患に該当するかだけでなく、治療できる医療機関や使用できる装置にも条件があります。
希望する治療法を自由に選べるわけではないため、事前確認が欠かせません。

以下では、受診前に押さえたい注意点を解説します。

国が指定する医療機関でしか治療を受けられない

保険適用の歯科矯正は、国が認めた指定医療機関で受ける必要があります。
一般的な歯科医院や矯正歯科では、対象疾患に該当していても保険診療として扱えないケースも想定されます。
これは、顎変形症や先天性異常などの治療に専門的な設備や体制が求められるためです。

受診先を選ぶ際は、保険医療機関であるか、対象となる矯正治療に対応しているかを事前に確認しましょう。

使用できる矯正装置が原則ワイヤーなどに限定される

保険適用の歯科矯正では、使用できる装置が原則としてワイヤーやブラケットなどに限られます。
保険診療では、機能回復に必要な治療として認められた方法が優先されるため、見た目の目立ちにくさや快適性を重視した装置は選びにくい傾向があります。

マウスピース矯正や透明な装置、審美性の高い装置は、基本的に自由診療の範囲です。
装置の希望がある場合は、保険診療で対応できる範囲と自費になる範囲を分けて確認しておきましょう。

治療費の負担を抑える方法

歯科矯正は高額になりやすい治療ですが、制度や支払い方法を知っておくと負担を抑えられるかもしれません。
医療費控除、高額療養費制度、デンタルローンや分割払いなど、状況に応じて検討できる方法があります。

以下では、費用面で役立つ選択肢を整理します。

医療費控除で払いすぎた税金の還付を受ける

歯科矯正の費用は、治療目的と認められる場合に医療費控除の対象となることがあります。
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えた際、確定申告によって所得控除を受けられる制度です。

子供の噛み合わせ改善や、機能回復を目的とした矯正では対象になりやすい一方、美容目的のみの矯正は対象外となる場合があります。
領収書や診療明細、通院交通費の記録を保管し、申告前に条件を確認しておきましょう。

高額療養費制度を活用して自己負担を減らす

高額療養費制度は、保険診療で支払った医療費が1か月の自己負担限度額を超えた場合に、超過分の払い戻しを受けられる制度です。
保険適用の歯科矯正や顎変形症の手術などでは、対象になる可能性があります。
自己負担限度額は年齢や所得によって異なるため、加入している健康保険組合や自治体で確認が必要です。

自由診療の矯正費用には使えないため、保険診療分と自費診療分を分けて考えることが大切です。
あわせて、限度額適用認定証の利用も検討できます。

デンタルローンや分割払いで月々の支払いを抑える

デンタルローンや分割払いを利用すると、歯科矯正の費用を一括で支払わず、月々の負担に分けられます。
自由診療の矯正では総額が大きくなりやすいため、支払い方法の選択肢を確認しておくと治療計画を立てやすくなるでしょう。

デンタルローンは審査があり、金利や手数料によって返済総額が変わります。
院内分割に対応する歯科医院もあるため、毎月の支払額、支払い回数、途中解約時の扱いまで確認してから検討することが大切です。

まとめ:歯科矯正の保険適用と費用のポイントを解説

歯科矯正は、見た目の改善や一般的な歯並びの調整を目的とする場合、原則として保険適用外です。
一方で、厚生労働大臣が定める先天性異常、外科手術を伴う顎変形症、前歯3歯以上の永久歯萌出不全に伴う咬合異常などでは、保険が使える可能性があります。

保険診療では医療機関や装置に条件があり、自由診療では費用が高額になりやすいため、治療前に対象可否と総額を確認することが大切です。
医療費控除や高額療養費制度、分割払いなども含め、自分に合う方法で無理のない治療計画を立てましょう。
判断に迷う場合は、指定医療機関や歯科医院で見積もりと治療内容を確認すると安心です。

大阪梅田のインプラント治療なら「デンタルオフィス大阪梅田」

コラム監修者

監修者の写真

中島 航輝
なかじま こうき

役職

世航会デンタルオフィス 理事長

略歴

  • 1997年 明海大学 歯学部入学
  • 2003年 同大学 卒業
  • 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
  • 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
  • 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
  • 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
  • 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
  • 2008年 医療法人社団世航会 設立
  • 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
  • 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
  • 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
  • 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
  • 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系 入学
  • 2025年 同大学院 修了 医学博士取得
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