マウスピース矯正の費用は?費用を抑える5つの方法も紹介

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マウスピース矯正は、目立たない透明な装置を利用して、歯を段階的に理想の位置に移動させる矯正治療方法です。
この方法は従来の金属ブラケットを使用する矯正とは異なり、日常生活での見た目への影響が少なく、患者さんの生活の質を低下させることなく矯正を進めることが可能です。

本記事では、マウスピース矯正の基本原理から始まり、かかる費用、健康保険の適用条件、そして治療を受けるにあたっての経済的負担を軽減するための具体的なアドバイスまで、この矯正方法についてのあらゆる情報をお伝えします。

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マウスピース矯正とは

マウスピース矯正は透明なプラスチック製マウスピースを用いて、患者さんの歯を徐々に理想の位置へと移動させる方法です。
この手法では、まず患者さんの歯の精密な印象を取り、そのデータを基にほんの少し目標位置に近づけた一連のマウスピースが製作されます。

矯正手法としては、従来型の「表側矯正」と「裏側矯正」も存在し、これらは歯の表面または裏面にブラケットを取り付けることで歯を動かします。
これらの矯正手法に関する詳細を以下で詳しくご紹介します。

表側矯正

表側矯正は、歯の表面にブラケットという矯正装置を取り付ける方法で、さまざまな歯並びの問題に対応できる柔軟性が大きなメリットです。
しかし、矯正装置が口を開けた時に見えてしまうため、それはややデメリットと言えます。

患者さんが口を開けると装置が目立つため、見た目を気にする人にとっては、他の目立ちにくい矯正方法を選択することも一つの選択です。
表側矯正は効果的である一方で、見た目の影響も考慮する必要があります。

裏側矯正

裏側矯正は、歯の見えない面に装置を装着し、治療を隠す方法です。
外見への影響を最小限に抑えたい方に向いている方法と言えるでしょう。

一方で治療費が比較的高額であること、口内の違和感や清掃の難しさなどのデメリットが存在します。
選択を検討する際は、見た目のメリットと、費用や日常生活における影響のバランスを考えることが大切です。

マウスピース矯正にかかる費用の相場

マウスピース矯正は、その目立ちにくさと取り外しが可能な利便性から、多くの人々に選ばれている矯正治療法の一つです。
しかし、多くの患者さんが気になるのが治療にかかる費用です。

以下ではマウスピース矯正に関連する費用の相場について詳しく解説します。

治療全体でどの程度の費用がかかるのか、また、治療を進める上で発生しうる追加費用には
どのようなものがあるのか、具体的な例を挙げながら、患者さんが事前に知っておくべき情報をお伝えします。

治療前

マウスピース矯正を始める前には、いくつかの初期費用が必要となります。
まずカウンセリングがあり、これは無料~5,000円程度の範囲が一般的です。
ここでは、患者さんの状態や矯正治療に関する質問に答えたり、治療計画の相談などが行われたりします。

次に、検査・診断料がかかりますが、これは無料から6万円前後となっており、歯科用CT、レントゲン、光学スキャナーなどを使用して口腔内の詳しい情報を収集します。
これらの検査は、矯正治療の計画を立てる上で非常に重要となり、設備が整った矯正歯科を選ぶことをおすすめします。

マウスピース矯正にかかる期間は長く、保定期間を含めると更に延びるため、患者さんとしっかりとしたコミュニケーションを取り、丁寧なカウンセリングを提案する矯正歯科を選ぶことが重要です。

また、矯正治療の質を高めるためには、口腔内の正確なデータ収集が必要であり、最新の設備を備えたクリニックを選ぶようにしましょう。

治療中

マウスピース矯正の治療期間中に必要となる主な費用には、矯正装置の製作費やその装置の調整に伴う費用が含まれます。
オーダーメイドで製作されるマウスピースの価格は患者さん一人ひとりの治療範囲に応じて大きく変わり、約20万円〜100万円前後となることが一般的です。

さらに治療の進行に伴い定期的に矯正装置の調整が必要となりますが、この際にかかる費用は一回につき無料から10,000円前後が目安です。
この調整は通常1〜2ヶ月ごとに行われ、歯の動きや口腔内の状態を確認しながら矯正計画に基づいて実施されます。

これらの費用は患者さんのニーズや治療計画に応じて異なるため、治療を受ける前に矯正歯科で相談することが重要です。

治療後

マウスピース矯正を終えた後も、歯が元の位置に戻らないようにするためには保定装置の着用が必要です。
これにかかる費用は、一般的に無料~60,000円前後となりますが、これはクリニックによって異なります。

また、保定装置を着用した後の歯の動きをチェックするための保定観察料もあり、これは1回あたり無料から10,000円前後です。
保定期間中は定期的に歯科医院を訪れ、歯の状態を確認し、必要に応じて微調整を行います。

これらの費用は治療を始める前にクリニックで事前に確認し、計画的に治療を進めていくことが大切です。

マウスピース矯正で追加費用が必要になるケース

マウスピース矯正は、目に見えないクリアなマウスピースを使用して徐々に歯列を整える方法で、その目立ちにくさと使いやすさで多くの方に支持されています。
しかしながら、矯正治療を始めるにあたり、初期見積もりに含まれていない追加費用が発生する場合があります。
進行中の治療で想定外の事態が発生した場合、追加料金が必要となることがあるのです。

以下ではマウスピース矯正を選択する際に、予期しておくべき可能性のある追加費用の事例と具体的なアドバイスをお伝えします。

虫歯や歯周病などの治療

まず矯正治療を開始する前に、口内が健康な状態である必要があります。
虫歯や歯周病などがある場合はこちらを優先して治療することが求められます。

これらの初期治療は、保険適用で行うことができ、一般的に2,000円〜3,000円程度の費用で対応可能ですが、状態によっては10,000円以上の費用がかかることもあります。
口腔内の健康を保つことによって、矯正治療をスムーズに進行させ、最終的に矯正の効果を向上させるとともに、不要な追加費用の発生を抑制できます。

矯正治療にあたっては口内環境の改善から始めることが、治療成功への第一歩です。

矯正治療のための抜歯

矯正治療で歯を適切に移動させるためには、歯を移動させるだけの十分なスペースが必要です。歯の生え方が悪い場合やスペース不足がある時、抜歯が必要となるケースもあります。
抜歯の費用は抜く歯の本数によって変わりますが、一般的には1本当たり5,000円〜10,000円程度が目安です。

この処置により、残りの歯が健康な状態で整然と並ぶためのスペースを確保できます。

マウスピースの作り直し

マウスピース矯正の過程で、装置の作り直しが必要になることがあります。
主な原因には装着時間の不足や歯の予期せぬ動き、またはマウスピースの破損や紛失が含まれます。

具体的には、装着時間が規定の1日20〜22時間に満たない場合、歯が予定通りに動かない可能性があり、治療計画の調整と新しいマウスピースの製作が求められることがあります。
さらに、マウスピースを破損したり紛失したりした場合には、治療の進行を維持するために新しいマウスピースを作成する必要があります。

これらの事例は治療費の追加や期間の延長につながるので、これらを未然に防ぐためにもマウスピースの管理を徹底する、歯科医師と密にコミュニケーションを取るなどの対応を怠らないでください。

マウスピース矯正は保険適用になるのか?

マウスピース矯正に関して多くの方が抱く一つの大きな疑問は、この矯正治療が健康保険の適用範囲内に入るか否かでしょう。
歯科矯正治療は多くの場合は健康保険は適用外とされますが、特定の条件下では保険が適用されることもあります。

以下では、歯科矯正治療における保険適用の条件と注意点について詳しく解説します。

条件適用条件注意点
「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因する咬合異常矯正歯科治療が必要厚生労働省の認可を受けた医療機関での治療に限る
前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全埋伏歯開窓術を必要とする場合に限る厚生労働省の認可を受けた医療機関での治療に限る
顎変形症の手術前・後の矯正歯科治療顎離断等の手術を必要とする場合に限る厚生労働省の認可を受けた医療機関での治療に限る

歯科矯正治療における保険適用は限定的であり、特定の条件下でのみ可能です。
これには、「厚生労働大臣が定める特定疾患に起因する咬合異常」、「前歯及び小臼歯の永久歯の萌出不全による咬合異常」、および「顎変形症の手術前後の矯正歯科治療」が含まれ、

これらの治療を厚生労働省の認可を受けた医療機関で受ける必要があります。
マウスピース矯正は基本的に自由診療となるため保険適用外のケースが一般的ですが、特定条件下では例外も存在します。

そのため保険適用を受けることを求めるのであれば、これらの条件を満たしているか、また適切な認可を受けた医療機関であるかを事前に確認しましょう。
適切な準備と情報収集を通じて、経済的負担を減らせるよう努めましょう。

マウスピース矯正の費用を抑える5つの方法

マウスピース矯正は目立たず使用が便利なため多くの患者さんから支持されていますが、費用の面では注意が必要です。
経済的な負担を減らしつつ質の高い矯正治療を受けるためには、費用を節約するいくつかの方法を知っておく必要があります。

方法①治療期間が長引かないようにする

矯正治療の期間が延びると、その分だけ費用も増えてしまうことがあります。
とくに矯正装置の微調整や定期的な検診には追加の料金がかかることが多いです。

マウスピース矯正のような治療では、指定された装着時間を守ることが計画通りの治療完了には欠かせません。
また、治療後も歯が移動しないように、定期的なメンテナンスが必要です。

こうした慎重な管理は、本来発生しなかった追加費用を避け、治療を効果的に進めるために重要です。さらに、歯科医師と密に連絡を取り合い、患者さん自身も治療に積極的に関わることで治療の成功率を高め、結果的に治療期間の短縮と費用の節約につながります。

方法②一括払いを選ぶ

矯正治療の費用管理において一括払いを選択することは、治療費を節約する手段の一つです。
一括払いを選択することで分割払いにより発生する利息分の支払いを減らすことができます。一方、一度の支出が大きくなるため、自身の財布と相談して、慎重に決めましょう。

クリニックによって一括払いでの割引率が異なる点も考慮し、複数の方法を比較することをおすすめします。

方法③医療費控除の対象になるか確認する

歯列矯正が噛み合わせの改善を目的とする場合、医療費控除の適用対象となる可能性があることは、費用を節約できる可能性の一つです。
しかし、医療費控除が適用されるかどうかは治療を受けるクリニックによって異なるため、具体的な条件や必要な手続きについては直接歯科医院での確認が必要です。

もし適用条件に該当し年間で支払った医療費が基準額を超える場合、最大200万円までの医療費を控除対象とすることができ、これにより実質的な治療費用を減少させることが可能です。

節税を実現するためには、確定申告を行う必要があります。
この手順を通じて、矯正治療に伴う経済的な負担を軽減し、治療を受けるハードルが下がります。

自身の歯並びや噛み合わせの問題が医療費控除の対象となるかどうかを治療を受ける前に歯科医院で確認し、節税のチャンスを最大限に活用しましょう。

方法④部分矯正を検討する

部分矯正は限定された歯のみを矯正することで、全体矯正と比較して治療期間とコストの削減が期待できる選択肢の一つです。
この方法は限定された歯並びや噛み合わせの問題に特化して治療を行うことで、短い期間内で治療を終わらせることができます。

しかし、部分矯正が全ての症例に適しているわけではないため、自分の歯の状態に合わせた治療法の選択が必要です。
たとえば、広い範囲にわたる歯並びの乱れや複雑な噛み合わせの問題を抱えている場合、部分矯正だけでは十分な治療効果が得られない可能性があります。

そのため、歯科医院での詳しい診断と専門医のアドバイスを基に、自分にとって最も適した治療方法を選択することが重要です。歯科医との充分な対話を通じて、個人の状態に最も合った治療法を選択することが求められます。

方法⑤モニター価格で矯正できるクリニックを探す

モニターとして選ばれると、一般的な価格よりもはるかに低いコストで矯正治療を受けられることが多く、とくに予算に制約のある方には魅力的な選択肢と言えます。
さらに紹介割引を提示している医院もあり、知人を紹介することで自分自身も割引を受けられる場合があるため、治療費の負担をより軽減できます。

これらの制度を利用して質の良い治療をお手ごろな価格で受けるためには、関心のある医院にモニター制度の有無を確認してみてください。
結果として経済的な負担を最小限に抑えつつ、必要な矯正治療を受けることが可能になります。

マウスピース矯正を受ける際のクリニック選びのポイント

マウスピース矯正は目立ちにくく、日常生活においても違和感が少ないため、多くの人に選ばれている矯正治療法であることは前述のとおりです。
しかし、クリニックによって治療内容やサービス、費用が異なるため、慎重に選ぶ必要があります。

効果的でコストパフォーマンスの良い治療を受けるためには、クリニック選びが非常に重要です。
ここでは、マウスピース矯正を検討している際に注目すべきクリニック選びのポイントを紹介します。

これらのポイントを踏まえ、自分に合ったクリニック選びに役立ててください。

ポイント①通院頻度が高いかどうか

通院する頻度は治療を検討するうえで考慮すべきポイントの一つです。
一部の矯正治療サービスでは月に1〜2回の定期的な通院が求められる一方で、他の方法ではより少ない通院回数で済むこともあります。

地方や海外に住んでいる方、または忙しい生活を送っている方々にとって、頻繁に通院することは困難でしょう。
このため、自分のライフスタイルに合わせた通院スケジュールを提案してくれる矯正歯科医院を選ぶ必要があります。

一人ひとりのライフスタイルに合わせた治療計画を選択できるクリニックを選択することで、治療へのハードルが下がり、本人の負担も軽減できるでしょう。

ポイント②歯科医師やスタッフの印象が悪くないか

治療が完了した後も、歯が元の位置に戻らないようにするためには、定期的な歯科医院でのチェックが欠かせません。
そのため、クリニック選びは長期的な視点を持ち、治療の質やコミュニケーションのしやすさ、料金の明確さ、スタッフとの相性、クリニックの雰囲気や立地など、さまざまな側面から総合的に判断する必要があります。

ポイント③年齢ごとの費用が異なるのか

矯正治療にかかる費用は、治療を始めるタイミングや患者さんの年齢によって異なります。とくに乳歯と永久歯が混在している時期に治療を開始すると、料金設定がより複雑になることがあります。
中学生や高校生のように永久歯がすべて生え揃っている場合は、成人と同じ矯正費用がかかることが一般的です。

治療を考える際には年齢や治療開始のタイミングに応じた料金の差を理解することが大切です。
カウンセリングでは、患者さんやそのお子さんの年齢に応じた具体的な矯正費用を聞くことが重要です。

また、治療プランによっても費用は変わるため、治療の総費用についても専門医と詳しく話し合うことをおすすめします。

ポイント④デンタルローンを利用できるのか

マウスピース矯正の費用負担を軽減する一つの方法は、デンタルローンの活用です。
このローンは歯科治療専用で、3%〜8%という比較的低い金利で利用可能です。また、治療費を分割払いできるため、家計への影響を減らせます

ただし、デンタルローンを取り扱っているのは一部の歯科医院に限られるため、事前に利用可能な医院かどうかを確認する必要があります。
適切な計画を立てることで、経済的負担を減らしながら必要な矯正治療を受けられるようになります。

マウスピース矯正の費用感を知り計画的に治療を進めよう

マウスピース矯正は、見た目に配慮しつつ歯並びを整える効果的な方法です。
しかし、その費用や治療計画は患者さんの年齢や状態によって異なり、長期間にわたる通院が必要な場合もあります。
デンタルローンの利用や治療期間の短縮、部分矯正の選択など経済的負担を軽減する方法があります。

デンタルオフィス大阪梅田では個々の患者さんの具体的な状況に応じて、最も適した治療プランを提案しています。
マウスピース矯正に関する疑問や悩みがある場合は、お気軽にデンタルオフィス大阪梅田へご相談ください。

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コラム監修者

監修者の写真

中島 航輝
なかじま こうき

役職

理事長(梅田院の院長)

資格

略歴

  • 1997年 明海大学 歯学部入学
  • 2003年 同大学 卒業
  • 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
  • 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
  • 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
  • 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
  • 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
  • 2008年 医療法人社団世航会 設立
  • 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
  • 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
  • 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
  • 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
  • 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系  入学

著者本など

「まずはこの1冊から! はじめてのホワイトニング」
「dentist インタビュー記事」
「東京ドクターズ インタビュー記事」
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