歯周病と歯肉炎の違い|押さえておきたいこれらの原因と対処法

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「歯周病と歯肉炎の違いがわからない」「両者の違いを教えてほしい」などと考えていませんか。区別することなく使用されているケースがあるため、混乱している方は多いでしょう。結論を先に示すと、歯肉炎は歯周病が引き起こす状態といえます。ここでは、歯周病と歯肉炎の違いを解説するとともに歯肉炎の原因、予防法なども紹介しています。以下の情報を参考にすれば、言葉の意味を整理して問題に対処しやすくなるはずです。

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歯周病と歯肉炎の違い

歯周病は、細菌に感染することで引き起こされる炎症性疾患です。次の流れで進行します。

【歯周病の流れ】

  1. 健康な歯肉
  2. 歯肉炎
  3. 歯周炎

つまり、歯肉炎は歯周病の初期段階を表します。症状が進行すると、歯周炎と呼ばれるようになります。歯周病はこれらを含む総称です。歯肉炎は歯茎(歯肉)で炎症が起きている状態、歯周炎は歯茎(歯肉)に加え歯根膜、歯槽骨で炎症が起きている状態を指します。ちなみに、歯周炎が進行すると、歯槽膿漏と呼ばれる状態になります。歯槽膿漏は、歯槽骨から膿が漏れ出る状態です。歯周病を放っておくと歯を失う原因になりえます。悪化する前に対処することが重要です。

歯肉炎の原因

歯肉炎は、次の原因などで引き起こされます。

原因①歯垢(プラーク)の蓄積

歯肉炎の根本的な原因は歯垢(プラーク)の蓄積です。歯垢は、歯の表面に付着しているネバネバした塊といえるでしょう。膨大な数の細菌と細菌の産生物で構成されます。これらが生み出す毒素により歯肉炎が引き起こされるのです。歯に付着した歯垢を放置していると、唾液に含まれるカルシウムなどが沈着して歯石になります。歯石をブラッシングで取り除くことはできません。歯垢が付着しやすくなるため、歯石の存在にも注意が必要です。

原因②ドライマウス(唾液の分泌量の減少)

何かしらの原因で、唾液の分泌量が減少して口の中が乾いた状態をドライマウスといいます。ドライマウスも歯肉炎を悪化させる原因になりえます。唾液の清掃効果が低下するため、歯垢が付きやすくなるうえ細菌活動も活発になるからです。ドライマウスは、歯肉炎や虫歯に悪い影響を与えると考えられています。ドライマウスの主な原因は、ストレスや緊張で交感神経が刺激されることです。また、口呼吸や加齢、薬剤、他の病気の影響で引き起こされることもあります。

原因③ホルモンの変化

ホルモンの変化も歯肉炎に影響を与えます。密接に関係しているホルモンとして女性ホルモンがあげられます。女性ホルモンの分泌量が増加すると、刺激に敏感になるうえ、特定の歯周病菌も増殖するからです。したがって、思春期や妊娠時は歯肉炎のリスクが高まります。同様に更年期も歯周病に注意が必要です。ホルモンバランスが大きく変化することで、口の中か乾きやすくなります。骨粗しょう症が進みやすくなる点も見逃せません。これらの変化も、歯肉炎に悪影響を及ぼす恐れがあります。

原因④薬の副作用

薬の副作用で歯肉炎が悪化することもあります。一定のリスクを伴う薬として、カルシウム拮抗剤や抗てんかん薬、免疫抑制剤などがあげられます。歯肉炎が悪化する理由は、歯茎がむくんでブラッシングしにくくなるからです。歯茎がむくむメカニズムははっきりとわかっていませんが、歯垢が深く関わっていると考えられています。つまり、歯垢を取り除けていないとむくみやすくなるのです。これらなどの薬を服用しているときは、普段よりも丁寧な歯磨きを心がける必要があります。副作用が疑われるときは、歯科医に相談するとよいでしょう。

原因⑤ビタミンC欠乏症

ビタミンCの欠乏も歯肉炎を悪化させる原因になりえます。コラーゲンをうまく生成できなくなるからです。歯周病になると、歯茎のコラーゲン組織が破壊されます。偏った食生活などでビタミンCが欠乏すると、毛細血管の結合が弱くなり出血しやすくなります。ビタミンCは野菜のほか果物から摂取できます。歯肉炎や歯周病が気になるときは、食生活を見直すことも重要です。

歯周病や歯肉炎を予防するには?

歯周病・歯肉炎の根本的な原因は歯垢です。毎日の歯磨きで歯垢を取り除くことが大切といえるでしょう。歯磨きのコツは次の通りです。

【歯磨きのコツ】

  • 歯と歯茎の境目に歯ブラシを45度の角度であてて細かく左右に動かす
  • 力を入れすぎずに歯ブラシの毛先で磨く
  • デンタルフロス・歯間ブラシを使って歯と歯の間の汚れを取る

残念ながら、うがいで歯垢を取り除くことはできません。バイオフィルムを形成するため薬剤が浸透しにくい点にも注意が必要です。基本の対策は毎日の歯磨きです。以上のコツを踏まえて丁寧に歯を磨きましょう。ただし、セルフケアだけですべての歯垢を取り除くことはできません。歯科クリニックを定期的に受診して、クリーニングを受けることも大切です。歯周病や歯肉炎は、これらを組み合わせて予防します。

こちらの記事では、歯周病について解説していますので合わせてご覧ください。
関連記事:歯周病は自然に治る?自宅でのセルフケアと歯科医院での直し方

歯肉炎は歯周病の初期段階

ここでは、歯周病と歯肉炎の違いについて解説しました。歯肉炎は歯周病の初期段階です。適切にケアすれば症状を抑えられます。毎日の歯磨きを丁寧に行いましょう。歯磨きのポイントは、力を入れすぎずに歯ブラシを細かく動かすことです。

歯周病・歯肉炎の治療を受けたい、歯磨きのやり方がわからない、歯のクリーニングを受けたいなどのご希望がある方は「デンタルオフィス大阪梅田」にご相談ください。「デンタルオフィス大阪梅田」は歯周病治療にも対応しています。

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コラム監修者

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中島 航輝
なかじま こうき

役職

理事長(梅田院の院長)

資格

略歴

  • 1997年 明海大学 歯学部入学
  • 2003年 同大学 卒業
  • 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
  • 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
  • 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
  • 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
  • 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
  • 2008年 医療法人社団世航会 設立
  • 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
  • 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
  • 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
  • 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
  • 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系  入学

著者本など

「まずはこの1冊から! はじめてのホワイトニング」
「dentist インタビュー記事」
「東京ドクターズ インタビュー記事」
大阪梅田の歯周病治療

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