梅田の歯医者「デンタルオフィス大阪梅田」
〒530-0018 大阪府大阪市北区小松原町2番-4歯茎が腫れ、出血や痛みを伴う症状は歯肉炎と呼ばれます。
歯肉炎が進行すると、歯周病や歯槽膿漏へと悪化し、歯のぐらつきや膿の排出といった症状が現れます。
この記事では、歯茎が腫れて膿が出ているときに考えられる原因や、放置した場合にどうなるのかを解説します。
また、歯茎の腫れや膿が続く場合に、切開を伴う治療が必要になるのかといった疑問にもお答えします。
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目次
歯茎が膿んでいるかどうかについては、以下の3つのポイントでセルフチェックできることがあります。
まずは、これらの症状がないかどうかチェックしてみてください。
鏡などで歯茎を観察し、白いできものがないか確認してみましょう。
歯茎の一部に白いできものがあって、そこから膿が漏れ出ているような状態であれば、歯茎の内部が膿んでいる可能性があります。
歯が浮くような圧迫感があるようであれば、歯茎の内部が膿んでいる可能性があります。
これは、歯茎の内部が化膿すると腫れが生じ、その結果として圧迫感を感じるためです。
歯茎の中が化膿すると、これまでにないような口臭が発生することがあります。
膿には細菌や白血球の死骸、分解されたたんぱく質などが含まれており、これらが強い臭いの原因となります。
これまでにないような強い口臭を感じたら、歯茎の中が膿んでいる可能性が疑われます。
歯茎が腫れて膿が出る原因には、歯周病や細菌感染などが考えられます。
ここでは、歯茎の中で膿が生じる7つの原因についてチェックしていきましょう。
歯茎から膿が出るときというのは、すでに炎症を起こした部分が化膿している状態と考えられます。何も原因がなく化膿することはありえないため、歯周病が進行している可能性が疑われます。
膿の中身は白血球・血清・免疫細胞と戦って死んだ細菌で構成されています。外から入り込んだ細菌が白血球と戦った結果倒され、それらが混ざると膿として排出されます。
歯茎に炎症が起き、それらを放置していると歯周病として内部に細菌が入り込むため、化膿しやすい状態になるのです。
歯の奥にある神経が細菌感染を起こしているケースです。細菌が繁殖し、神経を攻撃するようになると免疫が反応し、細菌と戦って追い出そうとします。その結果、炎症が起きた部分は化膿した状態になり膿が出てきます。
歯周病菌は嫌気性の細菌で、酸素のある部分を嫌うため、口の中でも酸素が行き届きにくい場所を好みます。歯茎まわりをきれいにしている場合でも、神経部分まで細菌が入り込んでしまうと自力で取り除くことはできません。
強い力でものを噛んだり、歯ぎしりや食いしばりが習慣になっていたりすると、歯を支える歯根には強い力がかかります。
繰り返し力をかけ続けて歯根が耐えられなくなると、ヒビ割れや縦割れが起き、そこから嫌気性の歯周病菌が入り込みやすくなります。
歯根が割れていても外から目視することはできませんが、腫れや痛みで知覚するケースが多く、早期発見・早期治療が大切です。割れたところから細菌が入り込むと免疫機能が反応するので、炎症から化膿状態となって膿として排出されます。
親知らずは「智歯(ちし)」と呼ばれ、智歯の影響で炎症が起きるトラブルは「智歯周囲炎」と呼ばれています。
親知らずは歯の一番奥に存在している歯ですが、顎に十分なスペースがなければ隣の歯に阻害されて、斜め向きや横向きに生えやすくなります。
半端な生え方によって歯茎が盛り上がると、隣の歯(親知らずの手前の歯)との間に歯周ポケットができてしまい、そこに汚れなどが入り込んで取り除きにくくなり、嫌気性の歯周病菌がそれらをエサにして繁殖、炎症を引き起こすのです。
こちらの記事では、親知らずが痛いときの原因と対処法について解説していますので合わせてご覧ください。
関連記事:親知らずが痛いときに考えられる原因と腫れが出たときの対処法
強い力で歯磨きを行うと、歯茎が傷ついてしまい引っかき傷のようになります。傷口から細菌が入り込みやすい状態になると、嫌気性の歯周病菌をはじめとする細菌が感染し、免疫機能と戦って化膿しやすい状態になります。
硬めの歯ブラシや電動歯ブラシを使っていると、力のかけ過ぎで歯茎に傷がついてしまう場合があります。血行不良や体調不良で歯茎が一時的に弱っているときにも傷がつきやすくなっているため、やさしい力でマッサージ・ブラッシングを行いましょう。
口腔がんは歯茎や頬の内側の粘膜、上顎などにできる悪性の腫瘍です。
柔らかい部分だけではなく、硬い部分にも関わりなくできる病気ですが、口腔がんができると粘膜がただれて膿が出るほか、違和感・痛み・出血・粘膜のおかしな盛り上がりや変色といった、通常の状態にはない症状が出てきます。
口腔がんはがんの一種ですから、早期の治療が必要不可欠です。放置していると口の開けにくさやものの飲み込みにくさといった、生活に関わる症状が現れる場合もあるため、すぐにクリニックを受診してください。
関連記事:歯茎が腫れて痛いときの原因とは?治療方法と応急処置も紹介
神経を取り除いて歯の根元をきれいにする虫歯治療を、根管治療といいます。
根管治療によって患部は無菌状態になるはずですが、この治療が失敗すると虫歯菌が残ってしまい、これが時間の経過とともに根管内で繁殖し、膿の原因になります。
歯茎から出てきた膿は細菌と免疫機能が戦った結果ですが、免疫が正常に機能しているからといってそのまま放置はしないようにしましょう。
たとえば口腔がんのように、放置するほど症状が進行し生活に支障をきたすような病気の場合、そのまま対処せずにいると悪化のリスクが高まります。
歯周病についても同じく、歯肉の退縮から歯の動揺(ぐらつき)、最悪の場合歯が抜けてしまうおそれもあります。専門医による診察・治療が必要であり、放置したまま自然治癒をすることはありません。
歯茎の中に膿が溜まると、切開して取り除く必要があるのではと不安に思う方もいるでしょう。
ここでは、切開が必要なケースと不要なケースを紹介します。
切開によって膿を取り除く必要があるのは、主に以下の2つのケースです。
歯周病が進行し、重度の状態になっている場合、多量の膿が歯茎の中に蓄積されている可能性があります。
この場合は歯垢や歯石の除去といった治療だけでは難しく、歯茎を切開して膿を取り除く必要があります。
これはフラップ手術と呼ばれ、歯周ポケットが深く表面からでは歯石を取り切れない場合に歯肉を一部切開して歯根に付着した歯石や感染組織を取り除きます。
さらに、歯周病の症状や進行度によっては、歯を支える役割を担っている歯槽骨を修復するなどの外科的な治療が行われることもあります。
歯の根っこ部分にあたる歯根の先端で炎症が起き、膿が溜まる状態のことを根尖性歯周炎といいます。
根尖性歯周炎は症状が進行すると根管治療だけでは十分な治療の効果が得られないこともあります。
その場合は歯根端切開術という手術によって歯茎を切開する必要があります。
歯根端切開術は、歯茎を切開して歯根嚢胞という膿の袋を取り除く手術であり、治療負担が大きいのが特徴です。
そのため、根尖性歯周炎は重症化する前の早期治療や、未然に防ぐ予防が重要になります。
歯茎が腫れたり化膿していても、切開が不要と考えられるのは、次のケースです。
1つ目は、初期の歯周病の場合です。
歯周病になっていてもまだそれほど進行しておらず、歯周病菌の原因となっている歯垢や歯石を取り除くことで治療ができれば、切開の必要はありません。
2つ目は、根尖性歯周炎。
先ほど解説した根尖性歯周炎の中でもまだ重症化していない場合は、根管の中をきれいに洗浄して消毒、殺菌をする治療が有効です。
また、歯の根っこの先端にある歯根嚢胞がまだ小さい場合も、切開せずに治療を進めることができます。
歯茎から膿が出ていると分かったら、できるだけ早くかかりつけの歯科クリニックや専門医を受診することをおすすめします。
また、歯科クリニックを受診するまでの期間は、以下の4つの点に注意して生活するようにしてください。
膿を出し切ろうと、患部を強く押したり刺激を与えたりしないようにしましょう。手指で触れると細菌が傷口から入り込み、症状が悪化するおそれがあります。膿は自然に出たままにしておき、すぐに医療機関を受診してください。
患部に激しい痛みがなければ、シャワーや軽い入浴程度は可能です。一方、長時間の入浴は痛みや炎症を悪化させる可能性があります。血行を良くする作用のある運動も長時間続けないように、安静にして過ごすことをおすすめします。
膿が出ている状態というのは、すでに細菌が侵入しており患部が炎症よりも進んだ状態です。歯茎を余計に傷つけないように、歯ブラシでごしごしとこするのは避けましょう。
硬い歯ブラシを使っている方は柔らかいものに変えるか、治療を受けるまでは患部を避けて歯磨きを行ってください。
血行を促進する行為の一つである飲酒は、避けたほうがよいでしょう。
アルコールには血行を促進する作用があるため、飲酒は歯茎の膿を悪化させ、痛みを強めるおそれがあります。
歯茎から膿が出たときは、どこかに化膿が起きていると考えられるため、痛みや腫れのある部分を中心に歯科クリニックで検査、治療を行わなければなりません。
受診前に自分自身でできる応急処置についてもチェックしていきましょう。
膿の有無にかかわらず、口腔内は常に清潔にしておきましょう。歯科を受診するまでは、細菌が繁殖しないようにこまめなケアを行ってください。飲食をしたあとはうがい・歯磨き・フロスなどで口の中に食べかすを残さないように心掛けましょう。
デンタルリンスやデンタルフロスは口の中に合うものを選び、膿んでいる部分を避けながら使用しましょう。喉用のうがい薬や舌ブラシといった歯と歯茎以外へのケアアイテムも活用してください。
腫れていて痛みのある部分は、頬の上から冷やすだけでも鎮静効果が期待できます。すぐに痛みが引くわけではありませんが、腫れや痛みがあるほど冷却効果が期待できるため、濡れタオルや濡れハンカチ、肌に直接貼れる冷却材を活用しましょう。
ただし、患部を直接冷やそうとして氷を口にするのは、患部に氷が触れてしまうためかえって痛みが出るおそれがあります。痛みがあるときはできるかぎり患部には触れずに、頬の上から冷やすようにすると良いでしょう。
じんじん・ヒリヒリといった痛みには、鎮痛剤の使用もおすすめです。鎮痛剤は頭痛や歯痛のような広範囲の痛みに効果を発揮するため、飲みなれた鎮痛剤を服用しましょう。
患部が深く中程度以上の症状が発生しているときは痛みや腫れが強く出ることがあり、鎮痛剤を飲んでも効き目が感じづらいかもしれません。その際は鎮痛剤の量を増やすのではなく、すぐに救急歯科診療を行っている医療機関へ相談してください。
患部の状態や程度を把握するためにも、できるかぎり早期に歯科クリニックや専門医を受診するようにしてください。
歯茎のトラブルは免疫力が低下しているときに現れやすく、風邪やその他の病気で体が弱っているときには注意が必要です。
通常であれば問題にならない歯周病菌の影響も受けてしまう場合があります。歯茎に傷がつくと、そこから細菌が侵入し腫れて膿が出るような場合もあるため、クリニックを受診するまでは十分に休養をとって体を休めるようにしましょう。
鎮痛剤や冷却材を併用して体を休めると、抵抗力が戻ってきて症状の緩和や改善が期待できます。
今回は、歯茎の中が化膿している可能性をチェックする方法や主な原因、適切な対処法、さらにやってはいけないことなどについて解説しました。
よく言われていることですが、虫歯や歯周病といった口の中のトラブルは自然に治るものではなく、放置していると状態がさらに悪化し、本文で解説したように、切開が必要になるケースもあります。
違和感や痛み、膿が出るなどの症状がある場合は、応急処置を行ったうえで、できるだけ早く歯科医院を受診してください。
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