公開日 2023.06.27 更新日 2025.12.19

歯茎が腫れて痛い!8つの主な原因と自分でできる対処法

「歯茎が腫れているけどどうして?」「歯茎から血がでているけど大丈夫?」とお悩みを抱いていませんか?

辛い症状に悩まされている方もいるでしょう。

歯茎が腫れたり歯茎から血がでたりする原因はさまざまです。いずれにせよ、放置することはおすすめできません。原因によっては、歯を失うことになってしまいます。

 

ここでは、これらの症状を引き起こす原因と自分で取り組める対処法を紹介しています。お口のトラブルでお困りの方は参考にしてください。

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歯茎の腫れ・出血の症状が出た時に疑われること

歯茎が腫れているとき、歯茎から出血するときは、口腔内のトラブルが疑われます。

注意したいトラブルは次の通りです。

膿瘍

何かしらの原因で組織に膿がたまっている状態です。できた場所で歯肉膿瘍・歯周膿瘍などにわかれます。

歯肉膿瘍の主な原因は以下の2つです。

 

【歯肉膿瘍の原因】

  • 歯茎が傷ついて感染を起こす
  • 歯周病が悪化する

歯周膿瘍の主な原因は、歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)で細菌が繁殖することです。

歯周ポケットに膿がたまり、症状が進行すると歯茎側へ出てくることもあります。

歯根膜炎

歯と骨の間でクッション役を果たしている歯根膜で炎症が起きている状態です。

主な原因は、細菌に感染することです。虫歯が進行したケースや神経を抜いた歯に細菌が残っていたケースなどで引き起こされます。

 

また、転倒や歯ぎしりなど、強い力が加わることなどでも引き起こされる恐れがあります。

急性期の歯根膜炎で現れやすい症状は、歯茎が赤く腫れる、歯が浮いているように感じる、モノを噛んだり歯を叩いたりすると痛みが生じるなどです。

慢性期に移行すると、目立った症状は現れにくくなります。歯が浮いているように感じる、モノを噛むと痛い程度の症状になることが多いでしょう。

歯周病(歯槽膿漏)

歯周病は、歯周病原因細菌により引き起こされる炎症性疾患です。

進行すると歯が脱落する恐れがあります。歯周病は歯肉炎と歯周炎にわかれます。

両者の違いは次の通りです。

歯肉炎

歯周ポケットから細菌が侵入して歯茎で炎症が起きている状態です。歯肉炎は、歯周炎に進行する前の段階、つまり歯周病の初期段階といえるでしょう。

主な症状は、歯茎が赤くなる、歯茎が腫れる、歯磨きやデンタルフロスで出血する、硬いものを噛むと出血するなどです。

 

ただし、目立った症状は現れにくいため、見過ごされることが少なくありません。

また、痛みもほとんどないため、症状に気づいても放置されるケースが多いといえます。見過ごしたり放置したりすると、歯周炎へと進行してしまいます。

歯周炎

歯肉炎が進行して、歯周組織まで炎症が広がった状態です。

現れやすい症状は軽度・中度・重度で異なります。

軽度の場合は歯茎が赤く腫れる、歯磨きやデンタルフロスで出血する、歯が浮いたように感じるなど、中度の場合は歯茎が腫れる、歯茎から膿がでる、歯茎が下がって歯が長く見える、冷たいものを食べるとしみる、口臭が気になるなど、重度の場合は歯茎から膿がでる、歯がぐらぐらする、口臭が悪化するなどの症状が現れやすいといえるでしょう。

 

歯周炎が進行すると、顎の骨が溶けて歯が抜けてしまう恐れがあります。気になる症状が現れている場合は十分な注意が必要です。

根尖性歯周炎

神経が通っている管から周囲の組織へ細菌の感染が広がり、歯根の先端で炎症を起こしている状態です。

この後に説明する歯髄炎を放置することで生じます。現れやすい症状は、急性と慢性で異なります。

 

急性根尖性歯周炎では歯茎が大きく腫れる、歯茎から出血する、歯茎から膿が出る、噛むと強い痛みが走る、ずきずきと痛むなど、慢性根尖性歯周炎では歯が浮いているように感じる、歯茎に膿がたまるなどの症状が現れます。

以上からわかる通り、慢性根尖性歯周炎で現れる症状は、比較的、穏やかです。

とはいえ、急性根尖性歯周炎と同じく、放置してよいわけではありません。

歯髄炎

歯髄に細菌が感染して炎症を起こしている状態です。歯髄は、神経や血管が通っている部位を指します。

主な原因は、虫歯が進行することです。

虫歯が大きくなってエナメル質・象牙質を超えると、歯髄に細菌が感染してしまいます。

軽度の場合は、冷たいものを食べたり冷えた空気を吸い込んだりすると痛みを感じます。

進行すると、ズキンズキンと我慢できないほどの痛みが生じるでしょう。

 

また、温かい食べ物でも強い痛みを感じるようになります。

放置すると歯根膜炎や根尖性歯周炎を引き起こし、歯茎が腫れたり歯茎から出血したりすることがあるため注意が必要です。

口腔がん

歯茎、頬の内側など、口の中にできた悪性新生物の総称です。

発生した箇所により、歯肉がん、舌がん、頬粘膜がんなどにわかれます。

発生頻度が高いのは舌がん、歯肉がんです。

いずれも、目視で異常を確認できるため発見しやすいがんと考えられています。

 

現れやすい症状は、腫れ・出血・しこり・歯のぐらつき・口臭・痛みなどです。

痛みが現れると、進行しているケースが少なくありません。

早期発見するため、定期検診を受けることや気になる症状を発見した段階で受診することが重要です。

健康な歯茎の「見た目・手触り」チェック方法

歯茎の状態は、お口全体の健康を示す大切なサインです。

歯茎が元気であれば、歯をしっかり支え、日々のお手入れも安心ですが、少しの変化を見逃すと、トラブルを招くことがあります。

そこで、まず健康な歯茎がどんな状態かを知り、自分でチェックできるポイントを押さえておくことが重要です。

異常の兆候にも目を向けて、早期発見・早期対処につなげていきましょう。

健康な歯茎の特徴

健康な歯茎は、色が均一で淡いピンク色をしており、艶があります

また、歯茎と歯の間に隙間がなく、歯茎がしっかりと歯を支えている状態です。

触ったときに痛みや腫れを感じることはなく、歯茎は適度な硬さを持ち、軽く押すと弾力を感じることができます。

異常な歯茎の兆候

一方で異常がある場合、歯茎の色が赤く腫れたり、紫色に変化したりすることがあります。

歯茎が膨らんでいる、もしくはブヨブヨしているように感じることもあり、この場合は炎症が起きているサインです。

歯茎を軽く触っただけでも痛みを感じる、歯茎から血が出るなどの症状が見られる場合も、異常の兆候として注意が必要です。

 

また、歯茎が下がって歯の根元が露出したり、歯と歯茎の間に隙間ができることもあります。

これらは歯周病が進行している可能性を示唆しており、早期の対応が求められます。

その他の歯ぐきの腫れ・出血の原因

歯茎の腫れや出血は、さまざまな原因で引き起こされます。身近な原因として以下のものがあげられます。

歯石が蓄積している

歯石が蓄積していると、歯周病や虫歯のリスクは高まります。歯茎が腫れたり歯茎から出血したりしやすくなるでしょう。

歯石は歯磨きで取り除けなかった歯垢(細菌の塊)が石のように硬くなったものです。

歯石そのものは毒素をほとんど出しませんが、表面が凸凹しているため歯石ができると細菌は付着しやすくなります。

歯石を足掛かりに細菌が繁殖するため、歯周病や虫歯のリスクが高まるのです。

例えば、歯周ポケットに歯石ができて、ここを足掛かりに細菌が繁殖して歯周ポケットが深くなっていくなどが考えらえます。

 

残念ながら、歯石を歯磨きで取り除くことはできません。

歯石を除去したい場合は、歯科クリニックでクリーニングを受ける必要があります。

詰め物や被せ物の劣化

虫歯の治療で使用した詰め物や被せ物の劣化も、歯茎の腫れや歯茎から血がでる原因になりえます。

詰め物や被せ物と歯などの間に段差ができると、そこで細菌が繁殖しやすくなるからです。

細菌が産生する毒素で、これらの症状が引き起こされることも考えられます。わずかな段差であるため、歯磨きを丁寧に行ったとしても汚れを取り除きにくい点もポイントです。

 

一般的に、銀歯の寿命は5年程度と考えられています。

虫歯を治療してから一定期間が過ぎていて、詰め物や被せものの周囲で腫れや出血などのトラブルが起きている場合は、これらの劣化を疑うとよいかもしれません。

親知らずによる圧迫など

親知らずが真っすぐ生えずに周囲の歯や歯茎を圧迫すると、歯茎の腫れや歯茎からの出血を引き起こすことがあります。

正常に生えない方が多いため、身近なトラブルといえるかもしれません。

 

また、真っすぐ生えないと、前の歯との間にポケットができる点にも注意が必要です。

ブラッシングで汚れを取り除きにくくなるため、細菌が繁殖して歯肉炎や歯周炎を起こしやすくなります(=智歯周囲炎)。これらによっても、歯茎が腫れたり歯茎から出血したりする恐れがあります。

歯並びが悪い

歯並びが悪い場合も、歯茎が腫れたり歯茎から出血したりするリスクは高くなります。ブラッシングできない箇所に、歯垢がたまってしまうからです。

例えば、歯と歯が重なる箇所に歯垢がたまるなどが考えられるでしょう。

歯垢の中には歯周病や虫歯を引き起こす細菌が存在します。これらによりトラブルが引き起こされると、歯茎が腫れる・歯茎から出血するなどの症状が現れます。

歯並びが悪いと噛み合わせが悪くなる点にも注意が必要です。

特定の歯に大きな負荷がかかり、歯を支える組織にダメージが加わって炎症を起こすことがあります。このトラブルも歯茎が腫れる原因になりえます。

こちらの記事では、歯科矯正について解説していますので合わせてご覧ください。

関連記事:見た目が目立たない種類の歯科矯正はある?

歯茎の腫れを放置する危険性

歯茎の腫れや出血といった異常を放置すると、単なる口腔内の問題にとどまらず、全身の健康にも深刻な影響を与える可能性があります。

歯茎の腫れや出血は、歯周病などの兆候であることが多く、放置しておくと症状が悪化し、治療が難しくなることもあります。

早期に対処することで、口腔内の健康だけでなく、全身的な健康も守ることができます。

 

ここでは、歯茎の異常を放置した場合にどのようなリスクがあるのか、具体的にご紹介します。

これらの問題が進行すると、口腔内だけでなく全身にも深刻な影響を及ぼすことがあります。

歯周病が引き起こす全身への影響

歯周病は、単なる口腔内の問題にとどまりません。

歯茎に炎症を引き起こし、その細菌が血流に乗って全身に広がることがあります。

この過程で、心臓病や糖尿病、脳卒中などの全身疾患を引き起こすことがあるため注意が必要です。

 

特に免疫が低下している人や高齢者は、歯周病による健康リスクが高くなります。

歯周病を放置していると、これらの疾患と直接的に関連する可能性があるため、早期の発見と治療が重要です。

歯を失うリスク

進行した歯周病は、歯を支える骨を溶かし、最終的には歯を失うリスクが高まります。

歯茎の腫れや出血などの初期症状を軽視すると、治療が遅れ、歯の喪失に繋がることがあります。

歯茎の炎症が進行し、歯の根元まで影響が及ぶと、歯を支える骨が著しく減少します。

 

このため、歯の保存が難しくなり、抜歯が必要になる場合があります。早期に治療を受けることで、歯の喪失を防ぐことができます。

他の疾患への影響

例えば、歯根膜炎や根尖性歯周炎が進行すると、歯髄に感染が広がり、歯が壊死してしまうことがあります。

このような状態が続くと、歯の抜歯や再治療が必要となり、口腔内での悪影響が全身に波及することもあります。

感染が他の部位に広がると、血流を通じて体全体に影響を及ぼし、免疫力が低下することによってさらに健康問題を引き起こすこともあります。

 

また、歯周病が引き金となり、心血管疾患や呼吸器系の問題を引き起こすリスクも高まります。

歯ぐきが腫れているときの対処法

歯茎の腫れや出血が歯周病で引き起こされている場合、歯科クリニックなどで治療が必要です。

以上を前提としつつ、ここからは自宅で取り組めるセルフケアを紹介します。

腫れている部分を冷やす

歯茎が腫れて痛いときは、頬の上から濡らしたタオルを当てて患部を冷やします。

炎症が原因と考えられるため、腫れや痛みを和らげられる可能性があります。

ただし、冷やしすぎることはおすすめできません。症状を悪化させてしまう恐れがあります。氷などで患部を直接冷やすことは控えましょう。

歯を丁寧に磨く

歯周病は、歯垢や歯石の蓄積により引き起こされます。

症状を悪化させないため、歯を丁寧に磨くことが重要です。歯の正しい磨き方は次の通りです。

  • 歯の表面:歯ブラシを真っすぐあてて左右に細かく動かす
  • 歯と歯の間:歯ブラシを縦に動かして汚れを掻き出す
  • 歯周ポケット:歯ブラシを45度の角度に充てて左右に優しく動かす

正しい磨き方を心がけても、歯と歯の間などの汚れを完全に落とすことは難しいでしょう。

歯ブラシで落としにくい汚れは、デンタルフロスや歯間ブラシを活用すると落としやすくなります。

これらを併用して、口腔内の清潔を保つことが重要です。

うがいをする

腫れや痛みで歯磨きを行えない場合はうがいをしましょう。

歯垢を取り除くことはできませんが、食べかすの一部などは取り除けるため口腔内を清潔に保ちやすくなります。

ただし、根本的な解決にはつながりません。

できるだけ早く歯科クリニックで相談することが大切です。

歯茎の腫れや歯茎からの出血が気になるときは歯科クリニックへ

歯茎の腫れや歯茎から出血する原因、これらの対処法などについて解説しました。

考えられる原因はさまざまです。身近な原因として、歯石や歯垢が蓄積して虫歯や歯周病が悪化することがあげられます。

基本の対策は、丁寧な歯磨きで口腔内を清潔に保つことといえるでしょう。

既に症状が現れている場合は、治療が必要な状態かもしれません。

歯茎の腫れや歯茎からの出血が気になる場合は歯科クリニックを受診しましょう。

 

「デンタルオフィス大阪梅田」は、虫歯治療、根幹治療、歯周病治療、予防歯科など幅広い診療科目を掲げています。

お口のトラブルでお困りの方はお気軽にご相談ください。

コラム監修者

監修者の写真

中島 航輝
なかじま こうき

役職

理事長(梅田院の院長)

略歴

  • 1997年 明海大学 歯学部入学
  • 2003年 同大学 卒業
  • 2003年 東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 顎口腔機能再構築学系 摂食機能保存学講座 摂食機能保存学分野 博士課程 入学
  • 2006年 顎咬合学会 特別新人賞
  • 2007年 同大学院 修了 歯学博士所得
  • 2007年 東京医科歯科大学 歯学部附属病院 医員
  • 2007年 世田谷デンタルオフィス 開院
  • 2008年 医療法人社団世航会 設立
  • 2013年 明海大学歯学部 保存治療学分野 非常勤助教
  • 2014年 明海大学歯学部 保存治療学分野 客員講師
  • 2015年 昭和大学歯学部 歯科矯正学分野 兼任講師
  • 2016年 明海大学歯学部 補綴学講座 客員講師
  • 2020年 日本大学医学部 大学院医学総合研究科生理系  入学
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