梅田の歯医者「デンタルオフィス大阪梅田」
〒530-0018 大阪府大阪市北区小松原町2番-4「歯周病と歯肉炎の違いがわからない」「両者の違いを教えてほしい」などと考えていませんか。区別することなく使用されているケースがあるため、混乱している方は多いでしょう。結論を先に示すと、歯肉炎は歯周病が引き起こす状態といえます。ここでは、歯周病と歯肉炎の違いを解説するとともに歯肉炎の原因、予防法なども紹介しています。以下の情報を参考にすれば、言葉の意味を整理して問題に対処しやすくなるはずです。
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目次
歯周病は、細菌に感染することで引き起こされる炎症性疾患で、次の流れで進行します。
【歯周病の流れ】
つまり、歯肉炎は歯周病の初期段階を表します。症状が進行すると、歯周炎と呼ばれるようになります。歯周病はこれらを含む総称です。
歯肉炎は歯茎(歯肉)で炎症が起きている状態、歯周炎は歯茎(歯肉)に加え歯根膜、歯槽骨で炎症が起きている状態を指します。
ちなみに、歯周炎が進行すると、歯槽膿漏と呼ばれる状態になります。歯槽膿漏は、歯槽骨から膿が漏れ出る状態です。歯周病を放っておくと歯を失う原因になりえます。悪化する前に対処することが重要です。
歯周病(歯周炎)と歯肉炎では、現れる症状が異なります。
主な違いは次のとおりです。
症状 | 歯周病(歯周炎) | 歯肉炎 |
歯肉の色 | 赤紫色 | 赤色 |
歯肉の腫れ | 腫れている | 歯間の歯肉が丸みを帯びている |
血・膿 | ブラッシングで血や膿がでる | ブラッシングで血がでる |
歯のぐらつき | あり(中度~) | なし |
たとえば、歯肉が赤紫色で腫れている場合は、歯肉炎ではなく歯周病(歯周炎)の可能性があります。
このほか、歯の長さや食べ物の詰まりやすさも両者を見分けるポイントになります。
歯肉退縮(歯茎が下がって歯根が露出すること)が進む歯周病(歯周炎)では、歯が長く見えたり、歯に食べ物が詰まりやすくなったりします。
ただし、これらの見分け方は、あくまでも目安です。
お口の健康を正確に評価したい場合は歯科クリニックを受診してください。
歯肉炎は、次の原因などで引き起こされます。
歯肉炎の根本的な原因は歯垢(プラーク)の蓄積です。歯垢は、歯の表面に付着しているネバネバした塊で、膨大な数の細菌と細菌の産生物で構成されます。
これらが生み出す毒素により歯肉炎が引き起こされるのです。
歯に付着した歯垢を放置していると、唾液に含まれるカルシウムなどが沈着して歯石になります。歯石をブラッシングで取り除くことはできません。歯垢が付着しやすくなるため、歯石の存在にも注意が必要です。
何かしらの原因で、唾液の分泌量が減少して口の中が乾いた状態をドライマウスといいます。ドライマウスも歯肉炎を悪化させる原因になりえます。唾液の清掃効果が低下するため、歯垢が付きやすくなるうえ細菌活動も活発になるからです。
ドライマウスは、歯肉炎や虫歯に悪い影響を与えると考えられています。ドライマウスの主な原因は、ストレスや緊張で交感神経が刺激されることです。
また、口呼吸や加齢、薬剤、他の病気の影響で引き起こされることもあります。
ホルモンの変化も歯肉炎に影響を与えます。密接に関係しているホルモンとして女性ホルモンがあげられます。女性ホルモンの分泌量が増加すると、刺激に敏感になるうえ、特定の歯周病菌も増殖するからです。したがって、思春期や妊娠時は歯肉炎のリスクが高まります。同様に更年期も歯周病に注意が必要です。
ホルモンバランスが大きく変化することで、口の中か乾きやすくなります。骨粗しょう症が進みやすくなる点も見逃せません。これらの変化も、歯肉炎に悪影響を及ぼす恐れがあります。
薬の副作用で歯肉炎が悪化することもあります。一定のリスクを伴う薬として、カルシウム拮抗剤や抗てんかん薬、免疫抑制剤などがあげられます。歯肉炎が悪化する理由は、歯茎がむくんでブラッシングしにくくなるからです。歯茎がむくむメカニズムははっきりとわかっていませんが、歯垢が深く関わっていると考えられています。
つまり、歯垢を取り除けていないとむくみやすくなるのです。これらなどの薬を服用しているときは、普段よりも丁寧な歯磨きを心がける必要があります。
副作用が疑われるときは、歯科医に相談するとよいでしょう。
ビタミンCの欠乏も歯肉炎を悪化させる原因になりえます。コラーゲンをうまく生成できなくなるからです。歯周病になると、歯茎のコラーゲン組織が破壊されます。偏った食生活などでビタミンCが欠乏すると、毛細血管の結合が弱くなり出血しやすくなります。ビタミンCは野菜のほか果物から摂取できます。
歯肉炎や歯周病が気になるときは、食生活を見直すことも重要です。
歯肉炎は、炎症が歯肉に限定されている状態です。
したがって、歯肉に関連する症状が主に現れます。
健康な状態と比較する形で現れる症状を紹介します。
症状 | 健康な状態 | 歯肉炎 |
歯肉の色 | 薄いピンク | 赤色 |
歯肉 | 弾力がある | 軟らかい |
腫れ | 歯間に歯肉が入り込んでいる | 歯間の歯肉が丸みを帯びている |
出血 | 硬いものを噛んでも、ブラッシングをしても血はでない | 硬いものを噛んだり、ブラッシングをしたりすると血がでる |
口臭 | 気にならない | 気になる場合がある |
歯肉炎では、これらの症状が現れます。
ただし、自覚できる症状は少ないため、気づかないまま進行することが少なくありません。
放置すると、歯周炎へ進行するため注意が必要です。
気になる症状がなくても、歯肉炎を放置することはおすすめできません。
治療を受けずにいると、次のリスクが高まります。
歯肉炎を放置すると、歯周炎に進行します。
歯肉炎は炎症が歯肉にとどまっている状態、歯周炎は炎症が歯を支える歯周組織に及んでいる状態です。
歯周組織は、以下の4つで構成されます。
【歯周組織】
歯周炎を起こすと、歯周組織に炎症が及ぶため、歯を支えている歯槽骨が溶けてしまいます。
進行とともに、歯がぐらぐらするのはこのためです。
適切な治療を受けないと、最終的に歯は抜け落ちてしまいます。
歯周病は、抜歯を行う最も多い原因です。
歯周炎に進行する前に、治療を受けることが大切といえるでしょう。
出典:(pdf)8020財団「第2回 永久歯の抜歯原因調査 報告書」
歯周病を放置すると、全身疾患のリスクも高まります。
歯肉の血管を通って細菌や炎症性物質が全身に運ばれたり、誤嚥で気管支から肺に細菌が入ったりするためです。
過去に行われた研究で、以下の病気などとの関わりが示されています。
【歯周病が関与している病気】
たとえば、糖尿病では、炎症性物質の影響でインスリンの作用が低下します。
糖尿病になると、歯周病が悪化しやすくなる点も見逃せません。
つまり、両者は相互に悪い影響を及ぼし合う関係です。
これらのほかにも、癌やアルツハイマー病などとの関わりが指摘されているため、歯肉炎を放置することはおすすめできません。
歯肉炎は、予防と治療が重要な病気です。
歯肉の炎症にとどまっているため、この時点で治療すると歯槽骨の破壊を防げます。
また、歯肉炎の予防と治療は、全身の健康を守ることにもつながります。
歯周病が、糖尿病をはじめとするさまざまな病気に関わっているためです。
目立った症状が現れないため、気になる点があっても見過ごされることが少なくありません。
しかし、放置すると重大なトラブルにつながる恐れがあります。
リスクを理解したうえで、適切に対処することが重要です。
歯周病・歯肉炎の根本的な原因は歯垢です。毎日の歯磨きで歯垢を取り除くことが大切といえるでしょう。歯磨きのコツは次の通りです。
【歯磨きのコツ】
残念ながら、うがいで歯垢を取り除くことはできません。バイオフィルムを形成するため薬剤が浸透しにくい点にも注意が必要です。基本の対策は毎日の歯磨きです。以上のコツを踏まえて丁寧に歯を磨きましょう。ただし、セルフケアだけですべての歯垢を取り除くことはできません。歯科クリニックを定期的に受診して、クリーニングを受けることも大切です。歯周病や歯肉炎は、これらを組み合わせて予防します。
こちらの記事では、歯周病について解説していますので合わせてご覧ください。
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ここでは、歯周病と歯肉炎の違いについて解説しました。歯肉炎は歯周病の初期段階です。適切にケアすれば症状を抑えられます。毎日の歯磨きを丁寧に行いましょう。歯磨きのポイントは、力を入れすぎずに歯ブラシを細かく動かすことです。
歯周病・歯肉炎の治療を受けたい、歯磨きのやり方がわからない、歯のクリーニングを受けたいなどのご希望がある方は「デンタルオフィス大阪梅田」にご相談ください。「デンタルオフィス大阪梅田」は歯周病治療にも対応しています。
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